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SIM・eSIMの基礎

SM-DP+アドレスで手動設定する — QRコードが使えない場合のeSIMインストール手順

QRコードが使えない場合、SM-DP+アドレスとアクティベーションコードを手動で入力することでeSIMをインストールできる。QRコードの読み取りに失敗したとき、メールでLPAコードを受け取ったとき、QRコードが表示できる別端末がないときに使う手順だ。

QRコードを使った通常の手順は「QRコードでeSIMを設定する(iPhone)」「QRコードでeSIMを設定する(Android)」を参照してほしい。eSIMの設定後にデータ通信が繋がらない場合は「eSIMが設定できないときの対処法」を確認すること。


手動入力が必要になる場面

次のいずれかに当てはまる場合、手動入力が選択肢になる。

QRコードが読み取れない場合

  • QRコードが印刷物で汚損・劣化している
  • QRコードが設定したい端末の画面上にしか表示されておらず、別端末がない(iOSでいうと、iOS 17.4未満でこの状況に陥りやすい。iOS 17.4以降はQRコード画像を長押しして「eSIMを追加」を選択できるため、多くの場合は手動入力なしで解決できる)
  • 低解像度のメール・PDFに掲載されたQRコードがスキャンできない

プロバイダーがLPAコードをテキストで送ってくる場合

一部のeSIMプロバイダーはQRコード画像を発行せず、LPA:1$rsp.example.com$ACTIVATION_CODE 形式のテキストコードをメールまたはアプリ内で提供する。このコードは手動入力フォームに貼り付けるか、各フィールドに分割して入力する。

キャリアがEIDを事前に要求する場合

一部のキャリアやMVNOはeSIM発行前に端末のEIDを申告させる。この場合、EIDを伝えた上でSM-DP+アドレスとアクティベーションコードが発行される。


必要な情報

手動インストールに必要な情報は次の通りだ。

情報概要必須
SM-DP+アドレスeSIMプロファイルが置かれているサーバーのドメイン(例: rsp.truphone.com必須
アクティベーションコードプロファイルを取得するための一回使い切りのトークン必須
Confirmation Code不正利用防止のための追加確認コード。プロバイダーが設定した場合のみ必要オプション
EID端末のeUICCチップの固有識別番号。一部キャリアが事前申告を要求する場合があるキャリアによる

SM-DP+アドレスはドメイン形式(例: rsp.example.com)で、http://https:// は含まない。アクティベーションコードは英数字の文字列で、プロバイダーによって形式・長さが異なる。


SM-DP+アドレスとアクティベーションコードの取得方法

プロバイダーのメール・アプリから確認する

QRコードと同じメールまたはアプリ内に「SM-DP+アドレス」「有効化コード」「アクティベーションコード」「LPAコード」などの名称でテキストが記載されている場合がある。プロバイダーによって表記が異なるため、eSIM購入後の案内メール全文を確認すること。

「LPA:1$」から始まるテキストが届いた場合の見方は「LPAアクティベーションコードの形式」で解説する。

QRコードをデコードして取得する

手元にQRコードがあるが、スキャンできない状況の場合はQRコードをデコードして内容を取り出せる。

スマートフォンのカメラアプリ以外でデコードする方法:

  1. QRコードの画像を用意する(スクリーンショット・写真・PDF)
  2. ブラウザでQRコードデコーダーサービス(例: zxing.org/w/decode.jspx)を開く
  3. 画像をアップロードするとテキストとして表示される
  4. 「LPA:1$」から始まるテキストを確認し、SM-DP+アドレスとアクティベーションコードを取り出す

取り出したコードはコピーしてメモアプリ等に保存してから入力作業に臨むと、誤入力を防げる。

キャリア・プロバイダーのサポートに問い合わせる

メールに届いたQRコードが壊れている場合や、SM-DP+アドレスが見当たらない場合は、プロバイダーのサポートに「SM-DP+アドレスとアクティベーションコードをテキストで教えてほしい」と伝えると対応してもらえる場合がある。


iPhoneでの手動入力

iPhoneでのSM-DP+アドレス手動入力手順を解説する。

iOS 17.4以降

iOS 17.4以降のiPhoneではQRコード画像の長押しや写真アプリからの「eSIMを追加」が利用できるため、手動入力に頼る機会は減っている(Apple公式情報)。それでも手動入力が必要な場合の手順は次の通りだ。

Step 1: 「設定」→「モバイル通信」を開く

Step 2: 「eSIMを追加」をタップする

iOS・端末の構成によって「モバイル通信プランを追加」と表示される場合もある。

Step 3: 「QRコードを使用」画面で「詳細情報を手動で入力」をタップする

QRコードスキャン画面の下部に「詳細情報を手動で入力」リンクがある(Apple公式情報)。

Step 4: SM-DP+アドレスを入力する

「SM-DP+アドレス」フィールドにサーバーアドレス(例: rsp.example.com)を入力する。http:// は不要だ。

Step 5: アクティベーションコードを入力する

「アクティベーションコード」フィールドに英数字のコードを入力する。コピー&ペーストを使うと誤字を防げる。

Step 6: Confirmation Codeを入力する(必要な場合のみ)

プロバイダーからConfirmation Codeが案内されている場合のみ入力する。フィールドが表示されない場合やコードの案内がない場合は省略できる。

Step 7: 「次へ」をタップしてダウンロードを待つ

入力内容が正しければSM-DP+サーバーに接続し、プロファイルのダウンロードが始まる。Wi-Fi環境によって数秒〜1分程度かかる。

Step 8: eSIMのラベルとデータ通信設定を行う

ダウンロード完了後、eSIMに任意のラベルをつけ、モバイルデータ通信の優先回線をeSIMに設定する。

iOS 17.3以前

iOS 17.3以前でも手動入力フィールドの場所は同じだ(「設定」→「モバイル通信」→「eSIMを追加」→「詳細情報を手動で入力」)。ただし、iOS 17.4未満はQRコード画像を長押ししてeSIMを追加する機能がないため、設定したい端末の画面上にしかQRコードが表示されていない場合は手動入力が事実上唯一の選択肢になる。


AndroidでのeSIM手動入力

AndroidはメーカーごとにUIが異なる。Google PixelとSamsung Galaxyの手順を解説する。

Google Pixelでの手動入力

Step 1: 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」を開く

Step 2: 「SIMを追加」または「+」アイコンをタップする

Step 3: 「ヘルプ」または「手動で入力」を選択する

QRコードスキャン画面でこのリンクを探す。端末とAndroidバージョンによって「コードを手動で入力」「アクティベーションコードを入力」などの表記が異なる場合がある(Google Pixel公式情報)。

Step 4: アクティベーションコードを入力する

Pixelの場合、SM-DP+アドレスとアクティベーションコードを含む1行のLPAコード(例: LPA:1$rsp.example.com$ACTIVATION_CODE)をそのまま貼り付けられる画面が表示される場合がある。入力フォームの指示に従うこと。

Step 5: 「ダウンロード」をタップしてインストールを待つ

Step 6: eSIMを有効化する

インストール完了後、「eSIMを有効にする」の確認画面でオンにする。その後モバイルデータ通信の優先SIMをeSIMに切り替える。

Samsung Galaxyでの手動入力

Step 1: 「設定」→「接続」→「SIMカードマネージャー」(One UI 6以降は「SIMマネージャー」)を開く

Step 2: 「モバイルプランを追加」または「eSIMを追加」をタップする

Step 3: 「アクティベーションコードを使用」または「コードを手動で入力」を選択する

QRコードスキャン画面に「コードを手動で入力」または「アクティベーションコード入力」の選択肢がある(Samsung公式情報)。

Step 4: SM-DP+アドレスとアクティベーションコードを入力する

Samsungの入力フォームはSM-DP+アドレスとアクティベーションコードを別フィールドで受け付ける場合と、「LPA:1$アドレス$コード」形式を1行で受け付ける場合がある。画面の指示に従うこと。

Step 5: 「追加」または「ダウンロード」をタップする

Step 6: 端末の再起動が促された場合は再起動する

インストール後、再起動を求めるダイアログが表示された場合は指示に従う。


LPAアクティベーションコードの形式

GSMA SGP.22で規定されるLPA(Local Profile Assistant)のアクティベーションコードは次の形式をとる。

LPA:1$<SM-DP+アドレス>$<アクティベーションコード>[$<Confirmation Code>]
要素説明
LPA:1LPAプロトコルバージョン識別子(固定値)LPA:1
$フィールド区切り文字
SM-DP+アドレスプロファイル配布サーバーのFQDNrsp.example.com
アクティベーションコードプロファイルを取得するためのトークン01E8-23XP-...
Confirmation Codeオプション。プロバイダーが設定した場合のみ存在123456

例:

LPA:1$rsp.example.com$01E8-23XP-9A4F-B7C2[$123456]

角括弧 [...] の部分はオプションであり、Confirmation Codeが設定されていない場合は省略される。QRコードはこのテキスト全体をエンコードしたものだ。

端末のiOS・Androidの手動入力フォームはこのコードから必要なフィールドを分割して受け取る。「LPA:1$」の接頭辞は入力不要で、アドレスとコードを別々のフィールドに入力する画面が一般的だ(端末によっては1行入力形式の場合もある)。

eSIMの仕組みやSM-DP+の役割については「eSIMとは — 仕組み・メリット・デメリット」で詳しく解説している。


手動入力時のトラブルシューティング

「SM-DP+サーバーに接続できません」エラー

原因と対処法(順番に試す):

  1. インターネット接続を確認する — Wi-Fiまたはモバイルデータが通信できているかブラウザで任意のページを開いて確認する
  2. SM-DP+アドレスの入力を確認する — 先頭・末尾のスペース、http://https:// の有無、スラッシュの有無を確認する。正しい形式はFQDNのみ(例: rsp.example.com
  3. アクティベーションコードを再確認する — 文字列の誤入力・文字化けがないか確認する。コピー&ペーストを使うことを推奨
  4. 別のWi-Fiネットワークを試す — 一部のWi-Fiはファイアウォールで特定のポートをブロックしている場合がある
  5. 時間をおいて再試行する — プロバイダーのサーバーが一時的に混雑・メンテナンス中の場合がある

「無効なアクティベーションコード」エラー

アクティベーションコードはQRコードと同様に1回のみ使用可能だ(GSMA SGP.22仕様)。すでに別の端末で使用済みまたは期限切れの場合はコードが無効化される。新しいコードの発行はプロバイダーのサポートに依頼すること。

「Confirmation Codeが不正です」エラー

Confirmation Codeに誤りがある。プロバイダーから案内されたコードを再確認すること。Confirmation Codeの案内がない場合、フィールドは空欄のまま進む。

入力できたがプロファイルのダウンロードが完了しない

プロファイルのダウンロードには通常数秒〜1分かかる。Wi-Fiの電波状況が不安定な場合はより時間がかかる。3分以上待っても完了しない場合は接続を確認してから再試行する。

iPhoneで「詳細情報を手動で入力」が表示されない

「設定」→「モバイル通信」→「eSIMを追加」の手順を踏んでいるかを確認する。「eSIMを追加」のメニュー自体が見当たらない場合は、端末のeSIM非対応またはSIMロックの可能性がある。「eSIMが設定できないときの対処法」を参照すること。


よくある質問

SM-DP+アドレスはどこで確認できますか?

eSIMプロバイダーのアプリまたはメール(「eSIM情報」「アクティベーション情報」といった件名)に記載されています。QRコードがある場合はQRコードをデコードすると確認できます。「$」区切りのLPAコード(例: LPA:1$rsp.example.com$ACTIVATION_CODE)が送られてきた場合は、最初の「$」と次の「$」の間がSM-DP+アドレスです。

アクティベーションコードとSM-DP+アドレスは別々に入力しますか?

iPhoneでは「SM-DP+アドレス」と「アクティベーションコード」を別フィールドに分けて入力します。AndroidのPixelでは両者を含む1行のLPAコード(LPA:1$アドレス$コード形式)をそのまま貼り付けることができる場合があります。端末の入力画面の指示に従ってください。

Confirmation Code(確認コード)は必ず必要ですか?

いいえ。Confirmation CodeはGSMA SGP.22の仕様上オプション項目であり、プロバイダーが設定した場合のみ必要です。コードが必要な場合はプロバイダーから別途案内されます。案内がない場合は空欄のままで構いません。

QRコードと手動入力は同じeSIMプロファイルを使いますか?

はい。QRコードはSM-DP+アドレスとアクティベーションコードをエンコードしたものです。どちらの方法でも同じeSIMプロファイルをダウンロードするため、どちらかで成功した時点でもう一方は使えなくなります。

手動入力後もeSIMが有効化されません

入力完了はプロファイルのダウンロード(インストール)です。有効化(アクティベーション)は別のステップで、「設定」→「モバイル通信」でeSIMラインをオンにし、モバイルデータ通信の回線に設定する必要があります。それでも繋がらない場合は「eSIMが設定できないときの対処法」を参照してください。

EIDとは何ですか?なぜ必要なのですか?

EID(eUICC Identifier)はeSIMチップに固有の識別番号です。通常はeSIMのインストールに不要ですが、一部のキャリアやMVNOがeSIMプロファイルを特定の端末に紐づける際に事前にEIDの申告を求めることがあります。iPhoneでは「設定」→「一般」→「情報」→「EID」で確認できます。Androidでは「設定」→「端末情報」→「IMEI情報」またはダイヤルパッドで *#06# を入力すると表示される場合があります(端末モデルにより異なる)。


関連ガイド

eSIMの設定に初めて取り組む場合は「初めての旅行eSIM完全ガイド」で全体の流れを確認できる。eSIMの仕組み・SM-DP+の役割・LPAの概念については「eSIMとは — 仕組み・メリット・デメリット」で基礎から解説している。

QRコードを使った通常の設定手順は「QRコードでeSIMを設定する(iPhone)」と「QRコードでeSIMを設定する(Android)」を参照してほしい。SM-DP+アドレスを正しく入力してもeSIMが有効化されない場合の詳しいトラブルシューティングは「eSIMが設定できないときの対処法」にまとめている。

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