AndroidでデュアルSIMを使うには、端末の設定画面から2枚目のSIM(物理SIMまたはeSIM)を追加し、データ通信・通話・SMSそれぞれに使う回線を明示的に指定する必要がある。設定を省略すると意図しない回線でデータ通信が発生する可能性があるため、追加後の設定まで一連の流れで完了させることが重要だ。
デュアルSIMの仕組み(DSDS・DSDV・DSDA)については「デュアルSIMとは」で解説している。iPhoneでの設定手順は「デュアルSIMの設定(iPhone)」を参照してほしい。eSIMの仕組みは「eSIMとは」で確認できる。
対応Android端末
Google Pixel
Google Pixelのデュアル SIM対応状況を以下にまとめる(Google公式情報)。
| モデル | 構成 | 日本版 |
|---|---|---|
| Pixel 3(一部地域版) | 物理SIM + eSIM | 非対応(日本版はeSIM非対応) |
| Pixel 3a(一部地域版) | 物理SIM + eSIM | 非対応(日本版はeSIM非対応) |
| Pixel 4以降 | 物理SIM + eSIM | 対応 |
| Pixel 7以降 | 物理SIM + eSIM / eSIM×2 | 対応(デュアルeSIM対応) |
| Pixel 10/10 Pro/10 Pro XL(米国向け) | eSIM専用(eSIM×2) | 米国向けのみ |
日本版Pixel 4以降がeSIM対応であることは重要な点だ。Pixel 3・3aの日本版はeSIMに対応していないため、物理SIM1枚のみの構成になる。
Pixel 7以降はAndroid端末におけるデュアルeSIM(2つのeSIMを同時有効化)対応の先駆けの1つであり、物理SIMスロットがなくてもeSIM×2のデュアルSIM構成が実現できる(Google公式情報)。
Samsung Galaxy
Samsung Galaxyのデュアル SIM対応状況を以下にまとめる(Samsung公式情報)。
| モデルシリーズ | eSIM対応 | 備考 |
|---|---|---|
| Galaxy S20 / S20+ / S20 Ultra | 対応 | 米国モデルは eSIM 非対応。海外購入品・並行輸入品を使う場合は原産国仕様を要確認 |
| Galaxy S20 FE(Fan Edition) | 非対応(大半の地域) | S20シリーズの例外 |
| Galaxy S21〜S25シリーズ(フラグシップ) | 対応 | |
| Galaxy Z Fold / Z Flip シリーズ | 対応 | |
| 一部の廉価・地域向けモデル | 地域・キャリアにより異なる | Samsung公式で確認 |
Galaxy S20 FEはeSIM非対応であることに注意が必要だ。Galaxy S20以降のフラグシップという大まかな目安が用いられることがあるが、S20 FEは例外となる。
対応状況はキャリアロック版かどうかによっても変わる。キャリアロックがかかった端末はeSIMを使用できない場合があるため、購入したキャリアのSIMロック解除手続きを先に完了させる。
事前準備
SIM追加前に以下を確認する。
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SIMロック解除: 他社SIMを追加するには端末がSIMロックフリーである必要がある。Pixelは「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」に「SIMを追加」メニューが表示されるか確認、Galaxyは「設定」→「接続」→「SIM カード マネージャー」→「eSIMを追加」が表示されるか確認する。表示されない場合はキャリアへSIMロック解除を申請する。日本では2021年10月1日以降に発売された端末は原則SIMロックフリーだ。
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Androidのアップデート: 「設定」→「システム」→「システムアップデート」から最新版にしておくことを推奨する。
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Wi-Fi接続: eSIMプロファイルのダウンロードには安定したインターネット接続が必要だ。
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QRコードの準備: eSIMを追加する場合は、キャリアからQRコードまたはSM-DP+アドレスを入手しておく。詳細手順は「QRコードでeSIMを設定する(Android)」を参照してほしい。
2枚目のSIMを追加 — Google Pixel
Google PixelはAndroidに最も近い標準UIを採用しており、メーカーによるカスタマイズが少ない端末だ。
eSIMを追加する手順
- 「設定」を開く
- 「ネットワークとインターネット」→「SIM」を開く
- 「SIMを追加」または「+」アイコンをタップする
- 「代わりにSIMをダウンロードしますか?」の画面で「次へ」をタップする
- カメラが起動するので、キャリアのQRコードをスキャンする(端末の画面上にしかQRコードがない場合は「写真からスキャン」オプションを使う)
- キャリア名が表示されたら「ダウンロード」をタップする
- ダウンロード完了後、eSIMを「有効化」する
物理SIMを追加する(Pixel)
端末の電源を切ってからSIMトレイにnano-SIMを挿入し、電源を入れ直す。「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」にSIMが自動認識される。
2枚目のSIMを追加 — Samsung Galaxy
Samsung GalaxyはAndroidをカスタマイズしたOne UIを搭載しているため、メニュー名や手順がPixelと異なる。
eSIMを追加する手順
- 「設定」を開く
- 「接続」→「SIM カード マネージャー」を開く(One UIのバージョンによっては「SIM マネージャー」と表示される)
- 「モバイルプランを追加」または「eSIMを追加」をタップする
- 「サービスプロバイダーのQRコードをスキャン」を選択してQRコードを読み取る
- 「追加」または「ダウンロード」をタップする
- 再起動を促す画面が表示された場合は指示に従って再起動する
- 再起動後、「SIM カード マネージャー」でデータ通信に使うSIMを設定する(後述参照)
物理SIMを追加する(Galaxy)
端末の電源を切ってからSIMトレイにnano-SIMを挿入し、電源を入れ直す。「設定」→「接続」→「SIM カード マネージャー」にSIMが自動認識される。
2枚目のSIMを追加 — その他Android(概要)
Google PixelとSamsung Galaxy以外のAndroid端末(OPPO・Xiaomi・motorola等)でも基本的な操作の流れは共通だ。
設定アプリから「ネットワーク」「SIM設定」「モバイルネットワーク」「デュアルSIM」などの項目を探し、「eSIMを追加」「モバイルプランを追加」に相当するメニューを選択する。
メーカーやAndroidバージョンによってメニュー名・階層が異なるが、操作の流れは同じだ。「eSIMを追加」メニューが見当たらない場合は、端末のeSIM対応状況またはSIMロックの状態を確認する。
ラベルとデフォルト回線の設定
SIMを追加したら、各回線にわかりやすいラベルを付け、データ通信・通話・SMSそれぞれに使う回線を明示的に設定する。この設定が最も重要なステップだ。
Google Pixelでの設定
「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」を開く。「優先SIM」からデータ・通話・SMSそれぞれに使うSIMを選択できる。各SIM名をタップして「日本SIM」「データ専用」「仕事用」など任意のラベルに変更しておくと管理がしやすい。
Samsung Galaxyでの設定
「設定」→「接続」→「SIM カード マネージャー」を開く。「データ」「通話」「テキストメッセージ(SMS)」それぞれで使うSIMを選択できる。SIM名の変更は各SIMをタップして行う。
格安SIM(MVNO)をデータ専用として追加する構成であれば、「データ」にMVNO回線を設定し「通話」にメイン回線(MNO)を設定するのが一般的だ。IIJmioやmineoなど国内MVNOのデュアルSIM運用でも同様の手順で設定できる。
アクティブなデータ回線の切り替え
設定したデータ回線は、必要に応じていつでも切り替えられる。
Google Pixel
「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」→「優先SIM」→「データ」から変更するSIMを選択する。Android 12以降はクイック設定パネルの「インターネット」タイルからも素早く切り替えられる。
Samsung Galaxy
「設定」→「接続」→「SIM カード マネージャー」→「データ」から変更するSIMを選択する。One UIのクイックパネルで「モバイルデータ」タイルを長押しするとSIM選択画面に素早くアクセスできる(バージョンにより異なる)。
SIMの管理(オフ・削除)
SIMを一時的にオフにする
使わない回線を一時的に無効化するとバッテリー消耗を抑えられる。
- Google Pixel: 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」→対象のSIMをタップ→「SIMを使用」のトグルをオフにする
- Samsung Galaxy: 「設定」→「接続」→「SIM カード マネージャー」→対象SIMのトグルをオフにする
無効化した回線はプロファイルが削除されるわけではなく、再度トグルをオンにすれば即時復帰する。
eSIMプロファイルを削除する
- Google Pixel: 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」→対象のeSIMをタップ→「削除」
- Samsung Galaxy: 「設定」→「接続」→「SIM カード マネージャー」→対象のeSIMをタップ→「削除」
注意: eSIMプロファイルを削除すると多くの場合そのプロファイルは再利用できなくなる(GSMAのセキュリティ仕様)。再度使うにはキャリアへの再発行手続きが必要となる。再発行に手数料が発生するキャリア・プロバイダーもあるため、削除前にポリシーを確認することを推奨する。
Android固有の注意点
プライベートDNSの設定
Androidにはプライベートドメインネームサービス(DNS over TLS)の設定がある。デュアルSIM環境でこれを有効にしている場合、データ回線の切り替え時にDNS解決が一時的に失敗しアプリ通信が不安定になることがある。問題が発生する場合は「設定」→「ネットワークとインターネット」→「プライベートDNS」(Samsung Galaxyは「接続」→「その他の接続設定」→「プライベートDNS」)を「自動」または「オフ」に切り替えて確認する。
バックグラウンドデータの制御
格安SIM(MVNO)の低容量プランをデータ回線にしている場合は、データセーバーの活用を検討する。
- Google Pixel: 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「データセーバー」
- Samsung Galaxy: 「設定」→「接続」→「データ使用量」→「データセーバー」
データセーバーを有効にすると一部アプリのバックグラウンド同期に影響が出る場合がある。
旅行中のデータ自動切り替え
一部のAndroid端末は設定したデータ回線の電波が弱い場合にもう一方のSIMへ自動切り替えを行う機能を持つ場合がある。旅行eSIMをデータ回線として使用中にこれが発生すると、日本のホームSIMのデータローミングが意図せず起動するリスクがある。旅行中の具体的な設定は「海外旅行でのデュアルSIM活用」を参照してほしい。
よくある質問
AndroidのデュアルSIMで通話中にデータ通信が止まることはありますか?
端末の対応方式によります。DSDV対応端末では通話中はもう一方のSIMのデータ通信が停止する場合があります。DSDA(Dual SIM Dual Active)対応のハイエンドAndroid端末では、通話中もデータ通信を継続できます。お使いの端末の仕様はメーカーの公式ページで確認してください。デュアルSIMの方式についての詳しい解説は「デュアルSIMとは」を参照してください。
Pixelで「SIMを追加」メニューが表示されません。
主な原因は3つです。①端末がeSIM非対応(日本版Pixel 3・3aなど)。②端末がキャリアロックされている。③Android のバージョンが古い。設定メニューを確認し、該当する場合はキャリアへSIMロック解除を申請してください。解決しない場合は「eSIMが設定できないときの対処法」を参照してください。
MVNOのeSIMとMNOの物理SIMを組み合わせて使えますか?
使えます。例えば、物理SIMスロットにMNOのnano-SIMを挿入し、IIJmioやmineoなどのMVNO eSIMをダウンロードして追加する構成が可能です。この場合は通話用をMNO回線、データ用をMVNO回線に設定するパターンが一般的です。ただしMVNOごとにeSIM対応状況・動作確認端末が異なるため、契約前にMVNO公式の情報を確認してください。
旅行用eSIMをデータ回線にする場合、日本のSIMは通話のみで使えますか?
はい。「データ」に旅行eSIMを設定し、「通話・SMS」に日本のSIMを設定することで、現地データは旅行eSIMを使いながら、日本の電話番号でSMS受信(銀行などの2FA認証)や通話待ち受けを維持できます。旅行中の設定の詳細は「海外旅行でのデュアルSIM活用」を参照してください。
Samsung GalaxyのOne UIでメニュー名が異なる場合はどうすればよいですか?
One UIのバージョンによって「SIM カード マネージャー」「SIM マネージャー」「デュアルSIM」など表示が異なる場合があります。「接続」または「ネットワーク」カテゴリ内を探してください。具体的なメニュー名が不明な場合は、設定アプリの検索機能に「SIM」と入力すると該当メニューが表示されます。
Pixelで複数のeSIMをダウンロードしておき、後で切り替えることはできますか?
はい。Pixelでは複数のeSIMプロファイルを端末に保存しておき、使用するeSIMを切り替えることができます。「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」から有効化するeSIMを選択できます。デュアルSIM構成(eSIM2枚同時有効化)はPixel 7以降で対応しています。なお、eSIMを削除すると多くの場合再利用できないため、不要になっても削除前にキャリアのポリシーを確認してください。
関連ガイド
デュアルSIMの仕組みや方式(DSDS・DSDV・DSDA)の詳細については「デュアルSIMとは — DSDS・DSDV・DSDAの仕組みと活用法」を参照してほしい。
iPhoneでのデュアルSIM設定手順は「デュアルSIMの設定(iPhone) — 物理SIM・eSIMを組み合わせる手順」で解説している。
AndroidでeSIMをQRコードで追加する詳細手順は「QRコードでeSIMを設定する(Android)」にまとめている。
旅行中に日本のSIMを維持しながら旅行eSIMをデータ回線として使う運用方法は「海外旅行でのデュアルSIM活用」で詳しく解説している。渡航前に確認すべき設定も網羅している。
eSIMの仕組みや物理SIMとの違いは「eSIMとは — 仕組み・メリット・デメリット」を参照してほしい。
国内SIMのeSIM対応プランを比較するにはSimFinderで絞り込める。海外旅行用のeSIMはSimFinder Travelで渡航先別に検索できる。