iPhoneでeSIMをQRコードで設定するには、3つの準備(Wi-Fi接続・対応モデルの確認・QRコードの取得)を整えてから「設定」→「モバイル通信」→「eSIMを追加」と進む。手順全体は5分以内に終わる。
eSIMの基礎知識(仕組み・メリット・デメリット)は「eSIMとは」で解説している。エラーが発生した場合は「eSIMが設定できないときの対処法」を参照してほしい。
設定前の準備
1. iPhoneがeSIMに対応しているか確認する
QRコードによるeSIM設定はiPhone XS以降の全モデルで利用できる。Apple公式が確認しているeSIM対応モデルは以下の通り(日本向けモデル)。
| モデル(シリーズ) | 構成 |
|---|---|
| iPhone XS / XS Max / XR(2018年〜) | 物理SIM + eSIM 1枚 |
| iPhone 11 / 11 Pro / 11 Pro Max | 物理SIM + eSIM 1枚 |
| iPhone SE(第2世代) | 物理SIM + eSIM 1枚 |
| iPhone 12シリーズ | 物理SIM + eSIM 1枚 |
| iPhone 13シリーズ | 物理SIM + eSIM 2枚(デュアルeSIM対応) |
| iPhone SE(第3世代) | 物理SIM + eSIM 1枚(デュアルeSIM対応) |
| iPhone 14シリーズ(日本向け) | 物理SIM + eSIM |
| iPhone 15シリーズ(日本向け) | 物理SIM + eSIM |
| iPhone 16シリーズ(日本向け) | 物理SIM + eSIM |
| iPhone 16e | 物理SIM + eSIM |
| iPhone 17シリーズ(日本向け) | eSIM専用(物理SIMスロットなし) |
| iPhone Air(全世界モデル) | eSIM専用(物理SIMスロットなし) |
日本向けiPhone 17シリーズはeSIM専用モデルとなった(Apple公式情報)。
「設定」→「モバイル通信」を開いて「eSIMを追加」または「モバイル通信プランを追加」が表示されればeSIM対応端末だ。メニューが表示されない場合はeSIM非対応またはキャリアロック中の可能性がある。
2. SIMロックが解除されているか確認する
「設定」→「一般」→「情報」→「キャリアロック」の欄に「SIMの制限なし」と表示されていれば問題なく設定できる。「SIMロックあり」と表示されている場合は、現在利用中のキャリアのサポートページからSIMロック解除の手続きを行う必要がある(各社マイページからオンラインで無料手続き可能)。
日本では2021年10月1日以降に発売された端末は原則SIMロックフリーであるため、その後に購入した端末はこの手順を省略できる。
3. Wi-Fi接続を確認する
eSIMプロファイルのダウンロードには安定したインターネット接続が必要だ。自宅のWi-FiまたはモバイルWi-Fiで接続した状態で設定を始めること。既存の物理SIMが有効であれば、そのモバイルデータ通信でも設定できる。
空港でギリギリに設定しようとすると、Wi-Fiが不安定で失敗するリスクがある。出発前に自宅で設定を完了しておくことを強く推奨する。
4. QRコードを用意する
キャリアまたはeSIMプロバイダーから受け取ったQRコードを手元に用意する。次のセクション(QRコードの取得方法)で取得方法を解説している。
QRコードの取得方法
eSIM設定に使うQRコードは、申し込みをしたキャリアまたはeSIMプロバイダーから発行される。取得経路はサービスの種類によって異なる。
国内キャリア・格安SIM(新規契約・プラン変更)
NTTドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイル・povo・ahamo・UQモバイル・ワイモバイル・LINEMOなどすべての主要サービスがeSIMに対応している。手続きの流れは概ね以下の通りだ。
- 各社のマイページまたは専用アプリにログインする
- 「eSIMへの変更」「eSIM発行」「SIM種別変更」等のメニューを探す
- 本人確認・手続きを完了するとQRコードが発行される
- QRコードは画面表示またはメール添付で通知される
QRコードをスキャンする端末(eSIMを設定したいiPhone)上でQRコードが表示されている場合は、後述する「スクリーンショットやメールのQRコードをスキャンする方法」を参照すること。
旅行eSIM(海外でのデータ通信)
Airalo・Holafly・Nomad・Sailyなどの旅行eSIMプロバイダーは、購入完了後にメールまたはアプリ内でQRコードを提供する。旅行eSIMの選び方については「初めての旅行eSIM完全ガイド」を参照してほしい。
旅行eSIMの多くはデータ通信専用であり、音声通話・SMS機能は含まれない点に注意する。
QRコードを使ったeSIM設定手順
手順(通常のスキャン方法)
設定後にeSIMを追加する場合の手順を説明する(iPhoneの初期セットアップ時に設定する場合は「セットアップ中の設定手順」を参照)。
Step 1: QRコードを別の端末・紙に用意する
スキャンするQRコードは、設定したいiPhone以外の画面(別のスマートフォン・タブレット・PC)か、印刷した紙に表示しておく。同じ端末のスクリーンショットや写真に保存されたQRコードをスキャンする方法は後述する。
Step 2: 「設定」→「モバイル通信」を開く
iPhoneのホーム画面から「設定」アプリを開き、「モバイル通信」をタップする。
Step 3: 「eSIMを追加」をタップする
「モバイル通信プランを追加」または「eSIMを追加」をタップする(iOSのバージョンや既存SIMの有無によって表示名が異なる)。
Step 4: QRコードをスキャンする
カメラが起動するので、用意したQRコードをフレーム内に収める。QRコードが認識されると「モバイル通信プランが検出されました」という通知またはポップアップが表示される。
Step 5: 「続ける」→「モバイル通信プランを追加」をタップする
画面の指示に従ってタップする。キャリアによっては確認コード(数桁の番号)の入力を求められる場合がある。このコードはキャリアからのメールまたはSMSで通知されている。
Step 6: eSIMのダウンロード完了を待つ
プロファイルのダウンロードが始まる。Wi-Fi環境によって数秒〜1分程度かかる。「モバイル通信プランが追加されました」と表示されれば設定は完了だ。
Step 7: データ通信回線とラベルを設定する
追加したeSIMのラベル(任意の名前)を設定し、デフォルトのデータ回線をeSIMに切り替えるかどうかを選択する。複数の回線を管理する場合は分かりやすい名前をつけておくと便利だ。
スクリーンショットや写真のQRコードをスキャンする方法
QRコードが設定したいiPhone上のメール・写真・PDFに保存されている場合、カメラでスキャンすることはできない。以下の方法を使う。
iOS 17.4以降: QRコード画像を長押しする
写真アプリ・メールアプリ・Safariなどで表示されているQRコード画像を長押しすると「eSIMを追加」オプションが表示される。これをタップするだけで設定が進む。
iOS 16以前: QRコードを別の端末に表示する
設定したいiPhoneでQRコードが表示されている場合は、そのスクリーンショットを別の端末(PC・タブレット等)に転送して表示し、iPhoneのカメラでスキャンする。
セットアップ中(初期設定)にeSIMを追加する場合
新しいiPhoneの初期セットアップ中に「セルラーを設定」画面が表示されたときにも同様の手順でQRコードをスキャンしてeSIMを設定できる。「QRコードを使用」をタップしてカメラを起動し、スキャンする。
デュアルSIM設定(eSIM追加後)
eSIMを追加すると、iPhoneはデュアルSIM(2回線)構成になる。各回線の用途を設定する必要がある。
設定場所
「設定」→「モバイル通信」から各ラインの設定ができる。
設定すべき項目
| 設定項目 | 推奨設定 |
|---|---|
| デフォルトの通話回線 | 日常的に通話で使う回線を選択 |
| デフォルトのSMS/メッセージ回線 | iMessageを除くSMSで使う回線を選択 |
| モバイルデータ通信 | データ通信に使う回線を選択 |
| モバイルデータ通信の自動切替(Allow Cellular Data Switching) | 旅行eSIM利用時はオフ推奨(ホームSIMのデータが意図せず消費されるのを防ぐ) |
旅行eSIMを追加した場合は「モバイルデータ通信」を旅行eSIMのラインに切り替えることで、日本のSIMでのデータローミング料金が発生しなくなる。デュアルSIMの詳細は「デュアルSIMとは」を参照してほしい。
設定がうまくいかない場合
よくある症状と対処法
「eSIMを追加できません」と表示される
端末に保存できるeSIMプロファイルの上限(eUICCのメモリ容量に依存)に達している可能性がある。使用していない古いeSIMプロファイルを「設定」→「モバイル通信」から削除してから再試行する。
「無効なQRコード」と表示される
QRコードは1回のみ使用可能だ(GSMAのセキュリティ仕様)。すでに別の端末で使用済みか、有効期限が切れている可能性がある。キャリアまたはeSIMプロバイダーに新しいQRコードの再発行を依頼すること。
QRコードをスキャンしたのに反応がない
カメラのレンズ付近を清潔な布で拭き、QRコードとカメラの距離を10〜30cm程度に調整してみる。照明が暗い場合は明るい場所に移動する。QRコードが傷んでいる・画質が悪い場合は、手動コード入力(SM-DP+アドレス入力)に切り替えることを検討する(「SM-DP+アドレスで手動設定する」準備中)。
eSIMはインストールできたがデータ通信が繋がらない
インストール完了後に「モバイルデータ通信」の設定でeSIMのラインを選択していない可能性がある。「設定」→「モバイル通信」→「モバイルデータ通信」から目的のeSIMラインを選択する。また、データローミングが必要な状況(海外ローミング)の場合は「データローミング」もオンにする。
上記以外の症状は「eSIMが設定できないときの対処法」で詳しく解説している。
eSIM設定後のよくある疑問
eSIMを設定した後の管理(別のiPhoneへの転送・再インストール・削除)については「eSIMを別のiPhoneに転送する(準備中)」「eSIMの削除と再インストール(準備中)」で解説予定だ。
eSIMの仕組みや対応端末の全一覧については「eSIMとは」を参照してほしい。旅行eSIMを初めて設定する場合は「初めての旅行eSIM完全ガイド」で全体の流れを確認できる。
キャリア別の違いや旅行時の活用法は「旅行用eSIM設定ガイド」でも解説している。
国内SIMでeSIM対応プランを比較するにはSimFinderで絞り込める。海外旅行用のeSIMはSimFinder Travelで国別に検索できる。
本記事で使われている用語の意味は「SIM・モバイル通信用語集」で確認できる。