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用語集

SIM・モバイル通信用語集

SIM・eSIM・モバイル通信の基本用語をまとめたリファレンスです。各用語は定義→技術背景→日本での文脈の順で解説します。見慣れない用語に出会ったとき、この用語集を参照してください。

基本用語(SIMとキャリア)

SIM(シム)

Subscriber Identity Moduleの略。加入者識別情報・認証キー・ネットワーク資格情報を安全に格納するICカードまたは集積回路。端末をモバイルネットワークに接続するために必要で、IMSI(国際移動加入者識別番号)とKi(認証キー)を内蔵する。1990年代初頭にGSM標準の一部として規格化された。

物理的な形状で分類すると、Mini-SIM(2FF)、Micro-SIM(3FF)、Nano-SIM(4FF)の3種類がある。現在の日本向けスマートフォンのほとんどはNano-SIMを使用する。

eSIM(イーシム)

embedded SIMの略。eUICCチップに端末製造時から内蔵されており、インターネット経由でキャリアのプロファイルをダウンロードして使用する。GSMA(世界移動通信事業者協会)が策定した消費者向け仕様SGP.22に基づく。物理的なSIMカードを差し替えることなくキャリアを切り替えられる点が特徴。

eSIMには複数のプロファイルを保存できるが、SGP.22 v2.x仕様では同時に有効化できるプロファイルは1つのみ。SGP.22 v3.0以降のMEP(Multiple Enabled Profiles)機能で複数同時有効化が可能になった。

iSIM(アイシム)

integrated SIMの略。eSIM機能をデバイスのチップセットに直接統合した技術。eUICCチップを別途搭載するeSIMと異なり、SoC(System on Chip)の一部として組み込まれるため、端末のさらなる小型化・省電力化が可能。IoT向けGSMA仕様SGP.32(2023年5月公開)に対応する。

MNO(エムエヌオー)

Mobile Network Operator(移動体通信事業者)の略。政府から無線周波数の使用免許を取得し、自社の無線ネットワークインフラを所有・運営する通信事業者。日本では「大手キャリア」とも呼ばれ、NTTドコモ・KDDI(au)・ソフトバンク・楽天モバイルの4社がMNOにあたる。

MVNO(エムブイエヌオー)

Mobile Virtual Network Operator(仮想移動体通信事業者)の略。自社では無線ネットワークインフラを保有せず、MNOからネットワーク帯域を卸売購入してモバイルサービスを提供する事業者。日本では「格安SIM」とも呼ばれる。ITUの定義では「無線周波数の政府免許を持たずモバイルサービスを提供する事業者」とされる。

サブブランド

MNOの関連会社が提供する低価格の通信サービス。親会社と同じネットワークを使用するため、一般的なMVNOより通信品質が高く安定している傾向がある。日本の代表例はUQ mobile(KDDI/au系)とY!mobile(ソフトバンク系)。MVNOより高く、MNO本体より安い中間的な価格帯に位置する。

プリペイド

使用前に料金を支払う契約形態。一定額または一定のデータ量・通話時間を前払いし、それを使い切るか有効期限が切れたら終了する。旅行者向けの旅行eSIMの多くはプリペイド型。

ポストペイド(後払い)

使用後に月額料金を請求される通常の契約形態。日本のキャリアの標準的なプラン形式。月額固定料金または使用量に応じた料金が翌月に請求される。


設定・手続き関連

APN(エーピーエヌ)

Access Point Nameの略。モバイルネットワーク(GSM・GPRS・3G・4G・5G)と外部データネットワーク(主にインターネット)を接続するゲートウェイの名称。3GPP TS 23.003で定義される。MVNOのSIMを使う場合、通常はAPN設定が必要になる。5GシステムではDNN(Data Network Name)が対応する概念として使われる。

MNP(エムエヌピー)

Mobile Number Portability(番号ポータビリティ)の略。現在の電話番号を維持したままキャリアを変更できる仕組み。1997年にシンガポールが世界初の実施国となり、ITU勧告Q.769.1(1999年)で技術標準化された。

日本では2023年5月より、元のキャリアへの連絡不要でオンライン完結できる「ワンストップMNP」が導入され、従来の「MNP予約番号」方式と並存している。

プロファイル(eSIMプロファイル)

eSIMにダウンロードして使用するキャリアの接続情報一式。ネットワーク認証情報・APN設定・電話番号などが含まれる。SM-DP+サーバーから端末のeUICCにダウンロードされ、設定アプリから有効化・無効化・削除ができる。

QRコード設定

eSIMを設定する方法の一つ。キャリアから発行されたQRコードを端末カメラで読み取ることでeSIMプロファイルをダウンロードする。iPhoneではカメラアプリまたは設定アプリの「eSIMを追加」から読み取る。1つのQRコードは原則1回のみ使用可能。

SM-DP+(エスエムディーピープラス)

Subscription Manager Data Preparation+ の略。eSIMプロファイルの作成・管理・配布を担うサーバー。GSMA SGP.22で定義される消費者向けeSIMアーキテクチャの中核コンポーネント。キャリアまたはeSIMプロバイダーが運営し、端末側のLPA(Local Profile Assistant)がSM-DP+に接続してプロファイルをダウンロードする。手動設定の場合はSM-DP+のアドレス(URLまたはIPアドレス)と、アクティベーションコードを入力する。

PIN・PUK(ピン・ピューク)

PIN(Personal Identification Number): SIMカードのロック解除に使う4〜8桁の暗証番号。紛失・盗難時に第三者がSIMを悪用するのを防ぐ。誤入力を一定回数(通常3回)繰り返すとSIMがロックされる。

PUK(PIN Unblocking Key): PINロックを解除するための8桁のコード。通常はキャリアから提供され、SIMパッケージや契約書に記載されている。PUKも一定回数(通常10回)誤入力すると、SIMが永久的に使用不能になる。

IMEI(アイエムイーアイ)

International Mobile Equipment Identity(国際移動体装置識別番号)の略。モバイル端末ごとに割り当てられた世界で固有の15桁の数値識別子。3GPP TS 23.003で規定され、GSM・UMTS・LTEネットワーク全体で端末の識別・管理・盗難防止に使用される。*#06#をダイヤルするか、設定→システム情報から確認できる。


通信技術関連

3G・4G(LTE)・5G

モバイル通信の世代を表す規格。

  • 3G(第3世代): WCDMA/CDMA2000等の規格。日本では主要キャリアが3G停波を進め、KDDI(2022年3月)・ソフトバンク(2024年4月)・NTTドコモ(2026年3月)の順に完了した。
  • 4G/LTE(第4世代): 「LTE」はLong-Term Evolutionの略で、3GPP Release 8で規格化。日本で現在最も広く使われている通信規格。
  • 5G(第5世代): 3GPP Release 15以降で規格化。Sub-6GHz帯とミリ波帯を活用し、超高速・大容量・低遅延を実現。

帯域(バンド)

モバイル通信に使用する電波の周波数帯。バンドX(例:バンド1、バンド28など)という形で表現される。キャリアにより使用するバンドが異なり、海外で購入した端末を日本で使う場合などに互換性の確認が必要。

日本の4G主要バンド例: Band 1(2.1GHz)、Band 3(1.8GHz)、Band 8(900MHz)など。 Band 19・26(850MHz、プラチナバンド)、Band 28(700MHz)、Band 42(3.5GHz)なども広く使われている。

SIMロック

端末を販売したキャリア以外のSIMカードを使えないようにする制限。日本では総務省が2021年10月以降、キャリアによる新端末へのSIMロック初期設定を原則禁止とした(ガイドラインに基づく)。それ以前に購入した端末は各キャリアの解除手続きが必要な場合がある。

SIMフリー

どのキャリアのSIMでも使用できる状態の端末。SIMロックがかかっていない端末。海外製端末や直販モデルの多くはSIMフリー。旅行先で現地SIMや旅行eSIMを使いたい場合、端末がSIMフリーであることが前提条件となる。

デュアルSIM

1台のデバイスで2枚のSIM(物理SIMまたはeSIM)を使用できる機能。GSMA TS.37で定義される。主な方式は以下の2種類。

  • DSDS(Dual SIM Dual Standby): 1つのトランシーバを共有。通話中はもう一方のSIMのネットワーク接続が一時的に切断される。
  • DSDA(Dual SIM Dual Active): 2つのトランシーバを持つ。両方のSIMを常時アクティブに保てるが、消費電力が大きい。

VoLTE(ボルテ)

Voice over LTEの略。4G LTEネットワーク上でIMS(IP Multimedia Subsystem)を使い、音声通話・SMSをIPパケットで伝送する技術。GSMA PRD IR.92で仕様が定義され、3GPP IMS MMTelソリューションに基づく。最初の商用サービスは2012年8月(米国MetroPCS)。VoLTE非対応環境では通話時に3Gへのフォールバックが発生する。

VoNR(ボンアール)

Voice over New Radioの略。5G NR(New Radio)ネットワーク上でIMSを使い、音声・ビデオ通話・メッセージングをIPパケットで伝送する技術。VoLTEの5G版にあたる。3GPP Release 15(2018年完成)で規格化。5G SA(Standalone)ネットワーク環境が必要。VoLTEより高品質なEVS(Enhanced Voice Services)コーデックを採用できる。

ローミング

加入者が自社のホームネットワーク外(主に海外)に移動した際、訪問先ネットワークを通じてモバイルサービスを継続して利用できる仕組み。GSMAのAA.12(International Roaming Agreement)に基づくキャリア間ローミング協定が必要。データローミングは別途有効化が必要で、利用料金はホームキャリアの国際ローミング料金に従う。

RLAH(アールラー)

Roam Like At Homeの略。EU/EEA(欧州経済領域)内でのローミングについて、自国と同じ料金でモバイルサービスを使えるようにしたEU規制の通称。2017年6月15日から施行(EU規則531/2012等に基づく)。2022年の改正規則(EU 2022/612)により2032年まで延長・強化された。ただしスイスはEEA非加盟のためRLAH対象外。フェアユースポリシーが適用され、長期滞在時には制限を受ける場合がある。

Wi-Fi Calling(ワイファイコーリング)

Wi-Fiネットワークを通じて音声通話を行う技術。VoWiFi(Voice over Wi-Fi)とも呼ばれる。セルラーの電波が弱い・届かない場所でも通話できる。3GPP仕様に準拠したキャリアのサポートが必要で、端末側の対応と設定でのON/OFFが必要。日本では対応キャリア・端末が限られる。

テザリング

スマートフォンのモバイルデータ通信を他のデバイス(PC・タブレット等)と共有する機能。モバイルホットスポット(Wi-Fiで共有)・USBテザリング・Bluetoothテザリングの3方式がある。MVNOや格安プランではテザリングが制限される場合があり、契約プランの確認が必要。

キャリアアグリゲーション(CA)

複数の周波数帯(コンポーネントキャリア)を束ねて同時に使用し、通信速度を向上させる技術。3GPP Release 10(LTE-Advanced、2011年仕様凍結)で初めて規格化された。Release 10では最大5つのコンポーネントキャリアを束ねることができ、最大100MHzの帯域幅を実現する。5Gでも同様の技術が活用されている。


MNP関連の日本固有用語

MNP予約番号

従来のMNP手続きで使用された「転出用の番号」。現在のキャリアに電話またはWebで申請して発行してもらい、乗り換え先のキャリアに提示する方式。MNP予約番号の有効期限は発行から15日間。ワンストップMNP導入後も、一部の手続きでは予約番号方式を選択できる。


よくある質問


関連ガイド(準備中)

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