eSIM対応かどうかは端末のハードウェアとモデル・販売地域で決まる。iPhoneはXS・XR(2018年モデル)以降の全モデルが対応し、Google PixelはPixel 4以降が幅広く対応、Samsung GalaxyはS20以降のフラグシップモデルが基本的に対応している。自分の端末がeSIM対応かどうかは設定画面のEID表示で最も確実に確認できる。
この記事では主要端末のeSIM対応状況と、自分の端末を確認する具体的な手順を解説する。eSIMの仕組みそのものは「eSIMとは — 仕組み・メリット・デメリット」で詳しく解説している。
iPhone のeSIM対応状況
対応モデル一覧
eSIM対応iPhoneモデルは、iPhone XS・iPhone XS Max・iPhone XR(2018年モデル)以降の全モデルだ。Apple公式サポートページ(support.apple.com/en-us/118569)で確認されている対応モデルは以下のとおりだ。
| 世代 | モデル | デュアルeSIM対応 |
|---|---|---|
| 2018年 | iPhone XS / XS Max / XR | なし(物理SIM+eSIMのみ) |
| 2020年 | iPhone SE(第2世代) | なし(物理SIM+eSIMのみ) |
| 2020〜2021年 | iPhone 12・13シリーズ | iPhone 13以降: あり |
| 2022年 | iPhone SE(第3世代) | あり |
| 2022年〜 | iPhone 14・15・16・16eシリーズ | あり |
| 2025年 | iPhone 17シリーズ(17 / Air / 17 Pro / 17 Pro Max / 17e) | あり |
iPhone 13シリーズ以降・iPhone SE(第3世代)は、2つのeSIMを同時に有効化するデュアルeSIM構成に対応している。iPhone 12以前のモデルは物理SIM+eSIM1枚の組み合わせのみで、eSIMを2枚同時に有効化することはできない。
iPhoneは設定画面から8個以上のeSIMプロファイルを保存でき、使う回線を切り替えて利用できる。
eSIM専用iPhoneモデル(物理SIMスロットなし)
一部の地域向けモデルは物理SIMスロットを持たないeSIM専用仕様だ。
- iPhone 14〜16eシリーズ(米国向け): 物理SIMスロットなし・eSIM専用
- iPhone 17シリーズ(米国・カナダ・メキシコ・日本・UAE・サウジアラビア・バーレーン・クウェート・カタール・オマン・グアム・米領バージン諸島向け): eSIM専用
- iPhone Air(米国・カナダ・メキシコ・日本・UAE・サウジアラビア・バーレーン・クウェート・カタール・オマン・グアム・米領バージン諸島向け): eSIM専用
これら以外の地域向けモデル(欧州・豪州・シンガポール・韓国など)のiPhone 17/17 Pro/17 Pro Max・iPhone Airは、nano-SIM+eSIMの構成を採用している。
中国本土・香港・マカオ向けモデルの注意点
中国本土向けiPhoneの多くはeSIM非対応だ(iPhone 17eとiPhone Airは例外的に対応)。香港・マカオ向けは一部モデルのみ対応している。海外で購入したiPhoneを日本で使う場合や、日本のeSIMを海外購入端末で利用する場合は、Apple公式サポートページで地域別の対応状況を必ず確認すること。
Android のeSIM対応状況
Google Pixel
Google Pixel 4以降のモデルは、キャリアロックのかかっていない端末であれば基本的にeSIMに対応している。Google公式サポートページ(support.google.com/pixelphone/answer/7086887)で対応状況を確認できる。
| モデル | eSIM対応 | デュアルeSIM対応 |
|---|---|---|
| Pixel 3 | 条件付き(米国・カナダのSprintおよびGoogle Fiのみ。日本・豪州・台湾向けは非対応) | なし |
| Pixel 3a以降〜Pixel 6以前 | 基本対応 | なし |
| Pixel 7 / 7 Pro以降 | 対応 | あり |
| Pixel 10 / 10 Pro / 10 Pro XL(米国向け) | eSIM専用(物理SIMスロットなし) | あり |
| Pixel 10 Pro Fold(全地域) | 対応(物理SIMスロットあり) | あり |
Google Pixel 7およびPixel 7 Proは、2022年10月のリリース時点でAndroid端末として初めてデュアルeSIM(2つのeSIMを同時に有効化)に対応した。デュアルeSIMはAndroid 13でのMEP(Multiple Enabled Profiles)実装に基づく機能だ。
Samsung Galaxy
Samsung Galaxy S20・S20+・S20 Ultra以降のGalaxyフラグシップモデルは、基本的にeSIMに対応している。Samsung公式のeSIM対応端末ページ(samsung.com/sg/support/mobile-devices/galaxy-esim-and-supported-network-carriers/)に最新の対応モデル一覧が掲載されている。
注意点が2つある。
- Galaxy S20 FE(Fan Edition)は大半の地域でeSIM非対応だ。FEモデルは対応フラグシップとは別に確認が必要。
- 地域・キャリア版による違い: 中国向けモデルや一部キャリアロック版ではeSIM非対応の場合がある。日本で購入したSIMフリー版であれば対応していることが多いが、Samsung公式で個別確認を推奨する。
Galaxy Z FoldシリーズおよびZ FlipシリーズもeSIMに対応している。Samsung公式のeSIM対応端末リストにGalaxy Z Fold7・Flip7・Flip7 FEおよび旧世代モデルが含まれている。
その他のAndroid端末
SonyのXperiaシリーズ、Motorola、OPPO、OnePlusなど他のAndroidブランドでもeSIM対応モデルが増加している。ただし機種・世代・販売地域によって対応状況が異なるため、メーカー公式サポートページまたはキャリアのeSIM対応端末一覧で個別に確認すること。
自分の端末がeSIM対応か確認する方法
方法1: EIDを確認する(最確実)
EID(eUICC Identifier)はeSIMチップの固有識別番号だ。EIDが表示される端末はeSIM対応ハードウェアを搭載している。
iPhoneでの確認手順
- 「設定」を開く
- 「一般」→「情報」の順にタップする
- 「EID」という項目が表示されていればeSIM対応だ
Androidでの確認手順(機種・メーカーにより表記が異なる)
- 「設定」を開く
- 「端末情報」または「スマートフォン情報」を開く
- 「SIM情報」または「IMEI情報」を確認する
- 「EID」が表示されていればeSIM対応だ
EIDは通常32桁の数字(89049032XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX の形式)で表示される。
方法2: *#06# をダイヤルして確認する
電話アプリから *#06# をダイヤルすると、IMEIとともにEIDが表示される端末がある。すべての端末でこの方法が使えるわけではないが、設定メニューが深い場合に手早く確認できる。
表示された番号の中に「EID」という項目があればeSIM対応だ。
方法3: 設定画面でeSIM追加メニューを探す
iPhoneの場合
- 「設定」を開く
- 「モバイル通信」をタップする
- 「eSIMを追加」または「モバイル通信プランを追加」というメニューが表示されていればeSIM対応だ
Androidの場合(Samsung Galaxy の例)
- 「設定」を開く
- 「接続」→「SIMカードマネージャー」または「SIM」をタップする
- 「eSIMを追加」というメニューが表示されていればeSIM対応だ
Pixel の場合は「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」から確認できる。
方法4: キャリアの対応端末リストで確認する
使いたいeSIMプランのキャリアが公式サイトで「eSIM対応端末一覧」を公開している場合、そのリストで自分の端末が含まれているか確認できる。キャリアによっては端末本体がeSIM対応でも、そのキャリアの手続き方法に非対応なケースがある。特に海外キャリアのeSIMを日本の端末で利用する場合は、端末のeSIM対応だけでなくキャリアとの互換性も確認することを推奨する。
eSIM非対応端末との見分け方
端末本体でeSIMの設定操作を試みても「eSIM追加」メニューが表示されない場合は、以下の2点を順番に確認する。
- EIDが表示されるか確認する: 「設定」→「一般」→「情報」(iPhone)または「設定」→「端末情報」(Android)でEID項目がなければ、その端末はeSIM非対応のハードウェアだ
- モデル番号を確認する: 型番をメーカー公式のeSIM対応端末一覧と照合する。モデル番号は設定画面の「端末情報」またはiPhoneの場合はApple公式サポートページで確認できる
EIDが表示されていてもeSIMメニューが出ない場合は、キャリアロックによりeSIM機能が無効化されている可能性がある。SIMロック解除の手続きについては利用中のキャリアに問い合わせること。
SIMフリー端末とeSIM専用端末の動向
SIMフリーとeSIM対応は別の条件
「SIMフリー」とは、特定キャリアへの回線ロックが解除された端末を指す。eSIM対応はeUICCチップが搭載されているかどうかで決まるため、SIMフリーであることとeSIM対応であることは別の条件だ。
- SIMフリー かつ eSIM対応 → eSIMが利用可能
- SIMフリー だが eSIM非対応 → eSIMは利用不可
- キャリアロック端末でもeSIM対応ハードウェアを持つ場合 → eSIM機能が制限される場合がある
eSIMプランに乗り換える前には「端末がeSIM対応か」「SIMフリーか」の2点を確認する習慣をつけると、手続きのつまずきを避けやすい。
eSIM専用端末の普及
eSIM専用端末(物理SIMスロットを持たないモデル)は増加傾向にある。米国市場では既にiPhone 14以降・Pixel 10(一部機種・米国向け)・一部地域向けiPhone 17シリーズがeSIM専用となっている。iPhone Airは米国・カナダ・メキシコ・日本・UAE・サウジアラビア・バーレーン・クウェート・カタール・オマン・グアム・米領バージン諸島向けにeSIM専用で発売されている。その他の地域向けはnano-SIM+eSIM構成だ。
eSIM専用端末を使う場合、物理SIMが必要なシーンでは代替手段がない点に注意が必要だ。たとえばeSIM非対応の格安SIMしか使えない環境、またはeSIMの手続きができない状況では通信手段を確保できなくなる。渡航先での利用を含め、利用するキャリアがeSIM対応かどうかを事前に確認することを推奨する。
物理SIMとeSIMの特性を比較した詳しい解説は「物理SIM vs eSIM — 違いと選び方を比較」を参照してほしい。
地域モデルの違いと注意点
同一ブランド・同一機種名であっても、販売地域によってeSIM対応状況が異なることがある。特に注意が必要な点を以下に示す。
iPhone の地域差
- 中国本土向けモデルの多くはeSIM非対応
- 日本向けiPhone 17シリーズはeSIM専用(物理SIMスロットなし)
- 欧州・豪州・韓国向けiPhone 17/17 Pro/17 Pro Maxは物理SIM+eSIMの構成
Android の地域差
- Google Pixel 3は一部地域・キャリア向けのみeSIM対応(日本向けPixel 3はeSIM非対応)
- Samsung Galaxyの中国向けモデルはeSIM非対応の場合がある
- キャリアロック版端末はeSIM機能が制限されている場合がある
海外旅行でeSIMを使う計画がある場合は、出発前に端末のEIDを確認し、eSIM対応を確かめておくことを推奨する。eSIMを使った海外通信の具体的な活用方法は「物理SIM vs eSIM — 違いと選び方を比較」でも触れている。
端末別のeSIM設定手順へのリンク
対応確認が完了したら、次のステップはeSIMの設定だ。
- iPhone: 「QRコードでeSIMを設定する(iPhone)」にQRコードスキャンから開通までの手順を詳しく解説している
- Android: 「QRコードでeSIMを設定する(Android)」にSamsung Galaxy・Google Pixel別の操作手順を掲載している
- iPhoneでのデュアルSIM設定: 「デュアルSIMの設定(iPhone)」に物理SIM+eSIMの組み合わせ手順を解説している
まとめ
| 端末 | eSIM対応の目安 | 確認先 |
|---|---|---|
| iPhone | XS・XR(2018年)以降の全モデル | Apple公式サポート / 設定>一般>情報 |
| Google Pixel | Pixel 4以降(条件あり) | Google公式サポート / 設定>端末情報 |
| Samsung Galaxy | S20以降のフラグシップ(地域・モデルによる) | Samsung公式eSIM対応端末ページ |
| その他Android | 機種・地域による | メーカー公式または設定のEID確認 |
自分の端末がeSIM対応かどうかを最も確実に確認する方法は、設定画面でEIDの表示を確認することだ。EIDが表示されていれば、その端末にはeUICCチップが搭載されており、eSIMを利用できるハードウェア条件を満たしている。
eSIM対応端末であることを確認したら、SimFinderで「eSIM対応」フィルターを使ってプランを絞り込み、自分に合ったプランを探してみてほしい。
よくある質問
EIDとIMEIは何が違いますか?
IMEIは端末本体の識別番号(15桁の数値)で、SIMの有無にかかわらず全モバイル端末が持つ。EIDはeUICCチップの識別番号(数字32桁)で、eSIM対応端末のみが持つ。両方が表示された場合、その端末はeSIM対応のハードウェアを搭載していることを意味する。IMEIについての詳細は「eSIMとは — 仕組み・メリット・デメリット」のeSIM基礎知識も参照してほしい。
キャリアロックされた端末でもeSIMは使えますか?
キャリアロック端末はeSIM機能が制限または無効化されている場合がある。eSIMを利用するには原則としてSIMフリー(キャリアロック解除済み)の状態が必要だ。日本では2021年以降に発売された端末について、総務省ガイドラインに基づきキャリア各社が原則としてSIMロック解除に応じている。
iPad はeSIM対応ですか?
iPad Pro(M4)およびiPad Air(M2)モデルはeSIM専用(物理SIMスロットなし)だ。それ以前の一部iPad Pro・iPad Air(Wi-Fi + Cellularモデル)もeSIMに対応している。ただしiPadのeSIM対応状況はiPhoneより複雑で、モデル・世代・Wi-Fi+Cellularモデルかどうかによって異なるため、Apple公式ページで個別確認を推奨する。
SIMフリー版と日本キャリア版でeSIM対応状況は変わりますか?
iPhoneの場合、日本キャリア版とSIMフリー版のeSIM対応状況は基本的に同一だ。Androidでは、日本キャリアが独自にeSIM機能を制限しているモデルが存在した例がある。現在は大手4キャリアいずれもeSIM対応を推進しているが、旧モデルのキャリア版端末については公式サポートページで確認することを推奨する。