MNP(番号ポータビリティ)の乗り換えは、ワンストップ方式(2023年5月24日開始)か予約番号方式(従来方式)の2通りの手順があります。
ワンストップ方式は乗り換え先のWebサイトだけで完結し、予約番号方式は現在のキャリアからMNP予約番号を取得してから申し込む2段階の手続きです。
この記事では、両方式の具体的な手順、当日の回線切替の流れ、開通確認までを段階的に解説します。
乗り換え前に確認すること
手続きを始める前に、以下の状態になっているかを確認します。
確認項目
- SIMロックが解除されている(2021年10月以前購入の端末)
- 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど)が手元にある
- 支払い用クレジットカードが準備できている
- データのバックアップが完了している
SIMロックの確認・解除手順については「SIMフリーとSIMロック — 確認方法と解除手順」を参照してください。2021年10月1日以降に発売された端末は原則SIMロックなしで販売されているため、確認不要です。
乗り換え前の全チェック項目(おサイフケータイの移行・キャリアメール・2FA設定など)は「乗り換え前チェックリスト」でまとめています。
ステップ1:乗り換え方式を確認する
乗り換え先のキャリア・MVNOがワンストップMNPに対応しているかどうかで、手順が分かれます。
乗り換え先の公式サイトで「ワンストップMNP」または「MNP ワンストップ」の記載を確認してください。
| 方式 | 対象 | 手順数 |
|---|---|---|
| ワンストップ方式 | 対応事業者への乗り換え | 少ない(現在のキャリアへの連絡不要) |
| 予約番号方式 | 未対応の事業者への乗り換え | 多い(2段階) |
2023年5月24日のサービス開始当初、NTTドコモ・KDDI(au)・ソフトバンク・楽天モバイル・日本通信が対応し、その後対応事業者が順次拡大しています。現時点で未対応の多くのMVNOへの乗り換えには予約番号方式を使います。
MNPの仕組みや2方式の詳しい説明は「MNP(番号ポータビリティ)とは」で解説しています。
ステップ2-A:ワンストップ方式の手順
ワンストップ方式に対応した乗り換え先に申し込む場合の手順です。
1. 乗り換え先のWebサイトで申し込みを開始する
乗り換え先のWebサイトまたはアプリを開き、新規申し込みまたはMNP転入の画面に進みます。申し込みフォームで「ワンストップMNP」または「MNP ワンストップ」を選択します。
2. 本人確認書類をアップロードする
本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード・パスポート等)の画像をアップロードします。有効期限が切れていないことを事前に確認してください。
3. 現在のキャリアのマイページで確認する
申し込みフォームを進めると、現在のキャリアのマイページに自動で遷移します。ログインして、MNP転出に関する重要事項を確認し、同意します。
この操作によって、現在のキャリアへの転出手続きが自動的に行われます。現在のキャリアに電話したり、MNP予約番号を取得したりする必要はありません。
4. SIMまたはeSIMプロファイルを受け取る
- 物理SIMの場合: 指定した住所にSIMカードが郵送されます。到着まで数日かかります。
- eSIMの場合: 審査完了後にQRコードまたはeSIMプロファイルのダウンロード案内がメール等で届きます。
5. 回線切替操作を行う
SIMまたはeSIMの準備が整ったら、乗り換え先の案内に従って回線切替の操作を行います(詳細は後述のステップ4を参照)。
ステップ2-B:予約番号方式の手順
ワンストップ方式に未対応の乗り換え先に申し込む場合の手順です。
1. 現在のキャリアからMNP予約番号を取得する
MNP予約番号は、以下の方法で取得できます。
- Webサイト・アプリ(マイページ): ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルはいずれもオンラインでの取得が可能です。
- 電話窓口: 各キャリアのカスタマーサポートに電話して取得します。
- 店頭: キャリアのショップで取得します。
オンライン手続きでの転出は原則無料です。電話・店頭での手続きは1,000円(税別)以下のガイドライン上限が設定されており、多くのキャリアが無料化しています(総務省ガイドライン準拠)。
MNP予約番号は取得日を含めて15日間が有効期限です(NTTドコモFAQ確認済み)。
2. 予約番号の残日数を確認する
多くのMVNOは、申し込み時にMNP予約番号の残日数が10日以上あることを要求します。取得後はできるだけ早く申し込みを開始してください。
乗り換え先の申し込みページで、残日数の要件を事前に確認してから取得することも有効です。
3. 乗り換え先のWebサイトで申し込む
乗り換え先のWebサイトまたはアプリで新規申し込みまたはMNP転入の画面に進み、以下の情報を入力します。
- MNP予約番号(10〜11桁の番号)
- 予約番号の有効期限
- 本人確認書類(アップロード)
- 支払い情報(クレジットカード等)
4. SIMまたはeSIMプロファイルを受け取る
- 物理SIMの場合: 審査完了後にSIMカードが郵送されます。
- eSIMの場合: 審査完了後にeSIMプロファイルのダウンロード案内が届きます。
ステップ3:乗り換え先のプランを選ぶ
申し込み前またはプロセス中に、乗り換え先のプランを選びます。
料金だけでなく、通信品質・データ容量・eSIM対応・通話オプションを比較してから選ぶことが重要です。SimFinderの国内SIM検索では、MNO・サブブランド・MVNOのプランを条件で絞り込んで一括比較できます。
旅行用のeSIMプロバイダーへの乗り換えを検討している場合は、「旅行eSIMプロバイダー比較」で主要プロバイダーの特徴を確認できます。また、旅行先でのeSIM選びのポイントは「旅行eSIMの選び方」で解説しています。
ステップ4:回線切替と開通操作
SIMカードが届いた、またはeSIMプロファイルのダウンロード準備ができたら、回線切替の操作を行います。
物理SIMの場合
- 古いSIMカードを端末から取り出す
- 新しいSIMカードを挿入する
- 端末を再起動する
- 乗り換え先の案内に従って開通操作(アクティベーション)を行う
端末によっては、SIMカード挿入後にアクティベーション画面が自動表示されます。
eSIMの場合
iPhoneの場合
- 「設定」→「モバイル通信」→「eSIMを追加」を開く
- 乗り換え先から届いたQRコードを読み取る(または「詳細情報を手動で入力」を選択してアクティベーションコードを入力)
- 画面の指示に従ってeSIMプロファイルをインストールする
- 「モバイル通信プラン」の設定でインストールしたeSIMを有効にする
Androidの場合
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」(または「接続」)→「SIM」→「SIMを追加」を開く
- QRコードを読み取るかアクティベーションコードを入力する
- 画面の指示に従ってeSIMプロファイルをインストールする
メーカー・機種によってメニュー名や操作手順が異なる場合があります。乗り換え先のeSIM設定案内を合わせて参照してください。
回線切替中の不通時間
回線切替の処理中は、数分〜数時間程度、音声通話・SMSが利用できなくなる場合があります。処理中はWi-Fiでのインターネット接続は維持できます。
この時間帯は以下の操作を避けてください。
- 銀行・証券・各種サービスのSMS認証
- 重要なオンライン手続き
ステップ5:開通確認と後処理
APN設定(必要な場合)
開通後にモバイルデータ通信が使えない場合、APN(アクセスポイント名)の手動設定が必要なことがあります。乗り換え先のキャリアまたはMVNOで購入した端末は通常APN設定が自動で行われます。SIMフリー端末や他社から持ち込んだ端末では手動設定が必要になる場合があります。
iPhoneのAPN設定手順は「iPhoneのAPN設定方法」、AndroidのAPN設定手順は「AndroidのAPN設定方法」で確認できます。
開通確認
以下の項目を順番に確認します。
- 電話の発信・着信: 実際に別の電話番号に発信し、通話できることを確認する
- SMS送受信: SMSを送受信して届くことを確認する
- モバイルデータ通信: モバイルデータをオンにし、ブラウザでWebサイトを開けることを確認する(Wi-Fiはオフにして確認)
- 電話番号の確認: 発信先に表示される番号が、引き継いだ番号と一致することを確認する
旧キャリアの後処理
キャリアメールの持ち運び申し込み
@docomo.ne.jp・@au.com・@softbank.ne.jp などのキャリアメールを継続して使いたい場合、各キャリアの「メール持ち運びサービス」に申し込みます。NTTドコモ・au・ソフトバンクの3社がこのサービスを提供しており、月額は各社330円(税込)です。NTTドコモ(ドコモメール持ち運び)は、解約日を含む31日以内に申し込みが必要です。解約当日の同時申し込みも可能です。
旧SIMカードの廃棄
物理SIMカードを交換した場合、旧SIMカードは不要になります。個人情報保護の観点から、ハサミで切断するなどして廃棄します。
分割払いの残債確認
端末の分割払いが残っている場合、乗り換え後も支払い義務が残ります。残債の金額と支払いスケジュールを旧キャリアのマイページまたは請求書で確認してください。
よくある質問
よく寄せられる疑問をまとめます。
MNP転出に費用はかかりますか?
オンライン手続きの場合、原則無料です。総務省のガイドライン改正(2021年4月1日施行)により、転出手数料はオンライン手続きで原則無料、電話・店頭での手続きは1,000円(税別)以下が上限です。NTTドコモは2021年4月1日から全方法で無料化しています。
申し込みから開通まで何日かかりますか?
eSIMの場合、審査が完了すれば当日開通が可能です。ただし、開通受付時間(例:9時〜21時など、キャリアにより異なる)外に申し込むと、完了が翌日になる場合があります。物理SIMの場合、SIMカードの郵送に2〜5日程度かかるのが一般的です(キャリア・時期によって異なります)。
まとめ
| 手順 | ワンストップ方式 | 予約番号方式 |
|---|---|---|
| 現在のキャリアへの連絡 | 不要(自動処理) | MNP予約番号を取得する |
| 予約番号の取得 | 不要 | 必要(有効期限15日間) |
| 乗り換え先での申し込み | 乗り換え先サイトのみ | 予約番号を入力して申し込む |
| SIM受け取り | eSIMまたは郵送 | eSIMまたは郵送 |
| 開通操作 | SIM差し替えまたはeSIMインストール | SIM差し替えまたはeSIMインストール |
| 回線切替の不通時間 | 数分〜数時間 | 数分〜数時間 |
乗り換え先のプラン選びにはSimFinderの国内SIM検索を活用してください。