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海外でスマホを使う4つの方法 — 料金・手軽さ・通信品質で比較

海外旅行中のスマホ通信手段は、国際ローミング・現地SIM・旅行eSIM・ポケットWi-Fiの4種類に分類できる。どれが適しているかは端末の対応状況・旅行期間・人数によって異なる。この記事では各手段の仕組みと特徴を整理し、選び方の指針を提示する。


4つの通信手段の概要

1. 国際ローミング

日本で契約しているキャリアのSIMをそのまま海外で使う方式。渡航先の現地キャリアとホームキャリアがローミング協定(GSMAのAA.12に基づくキャリア間協定)を結ぶことで実現する。

追加の端末や設定操作がほぼ不要で、電話番号もそのまま使えるため、手間を最小に抑えたい旅行者に向いている。一方、料金はキャリア・プランによって大きく差があり、事前にプランを確認せずに使うと高額になるケースもある。

キャリアによっては追加料金なしで海外でも一定量のデータを使えるプランがある。詳細は利用中のキャリアの国際ローミング案内ページで確認してほしい。

メリット

  • 端末・SIMを変えずに出発できる。事前準備は料金プランの確認のみ
  • 日本の電話番号がそのまま使えるため、銀行の二要素認証SMSや緊急連絡を確実に受けられる
  • ビジネス渡航など、日本番号での着信が必須の場合に唯一の選択肢になるケースがある
  • データローミングをOFFにするだけでSMS受信専用として使い続けられる(月額基本料の範囲内)

デメリット

  • 料金が割高になりやすい。プランを確認せずに使うと1日あたり数千円を超えるケースもある
  • 提携先の現地キャリアの回線を使うため、直接契約に比べて速度・優先度が低い場合がある
  • キャリアによっては特定の国・地域でローミングの対応帯域が制限される

2. 現地SIM

渡航先の国や地域で販売されているSIMカードを現地で購入して使う方式。現地キャリアと直接接続するため、通信品質が現地ユーザーと同等水準になりやすい点が特徴。

購入場所は空港内の通信会社カウンター・コンビニ・電気店などが一般的。購入時にパスポートなどの身分証明書の提示を求める国も多い(タイでは生体認証が必要、ドイツでは本人確認手続き(VideoIdent・PostIdent等)が必要など、国ごとに要件が異なる)。

端末がSIMフリーであること、および渡航先の通信バンドに端末が対応していることが前提条件。

メリット

  • 現地料金でのデータ通信が可能。長期滞在ほどコスト差が大きくなる
  • 現地ユーザーと同等水準の通信品質・速度を得られる
  • 渡航先によっては音声通話付きのプランも選べる

デメリット

  • 渡航先の到着後に購入が必要。深夜着・乗り継ぎ便など時間的制約がある場合に不便
  • 日本のSIMと同時に使うにはデュアルSIM端末が必要。シングルSIM端末では日本番号への着信が受けられなくなる
  • 購入時にパスポートの提示が求められる国が多く、国によっては生体認証・オンライン本人確認などの登録が追加で必要
  • 帰国後のSIMの廃棄・保管の判断が必要になる

3. 旅行eSIM

渡航先で使えるデータ通信プランをeSIMのプロファイルとしてオンラインで購入し、QRコードを読み取るだけで設定が完了するサービス。現地到着前に設定でき、空港でのSIM交換が不要。

eSIM(embedded SIM)はGSMAが定めるSGP.22仕様に基づくデジタルSIMであり、端末に内蔵されたeUICCチップにプロファイルをインターネット経由でダウンロードして利用する。対応端末であればQRコード読み取りのみで設定が完了する。

旅行eSIMの多くはデータ通信専用で、日本の電話番号での発着信はできない。通話はLINE・WhatsAppなどのVoIPアプリで代替するのが一般的。

メリット

  • 出発前に自宅でセットアップ完了。空港到着と同時にデータ通信が始まる
  • 物理SIMスロットが残っていれば日本のSIMと同時使用が可能(デュアルSIM構成)
  • プロバイダーが多数あり、渡航先・期間・容量に応じて価格比較がしやすい
  • 帰国後はプロファイルを削除するだけで完了。返却・廃棄の手間がない

デメリット

  • eSIM対応端末が必要。eSIM非対応のiPhone(iPhone XS以前)やAndroid端末では使えない
  • ほとんどのプランがデータ通信専用。現地番号での音声通話はできない
  • プロファイルを削除すると再インストールできない場合がある(プロバイダーのポリシーによる)
  • 端末がSIMロックされている場合は旅行eSIMも使えない

4. ポケットWi-Fi(Wi-Fiレンタル)

専用のモバイルWi-Fiルーター端末をレンタルし、複数のデバイスをWi-Fi接続して使う方式。日本の空港カウンターや宅配で受け取り・返却ができるサービスが国内では普及している。

1台のルーターに複数台(一般に5〜10台)のデバイスを同時接続できるため、複数人での利用に向いている。端末の種類を問わず使えるため、eSIM非対応の古い端末でも利用可能。

メリット

  • eSIM非対応・SIMロック端末でも使える。デバイスの種類を問わない
  • 1台のルーターで複数人・複数デバイスを同時接続できる
  • タブレット・ノートPCなど、SIMスロットのないデバイスもまとめてカバーできる

デメリット

  • ルーター本体のバッテリーが6〜12時間程度が多く、終日外出の場合はモバイルバッテリーが別途必要
  • 端末を紛失・破損した場合に高額な弁償費用が発生する場合がある
  • 受け取り・充電・返却という物理的な手間が発生する
  • 日割り料金のため、滞在日数が増えるほど旅行eSIMとの費用差が広がりやすい

4手段の比較

比較項目国際ローミング現地SIM旅行eSIMポケットWi-Fi
事前準備プランの確認のみ渡航先で購入オンラインで事前購入・設定事前予約・空港受取
手軽さ端末追加不要・設定最小空港等での購入が必要QRコード読み取りのみ受取・充電・返却が必要
料金水準キャリア・プランにより幅広い比較的安い(現地料金)比較的安い日数に比例して高くなる
電話番号日本番号そのまま使える現地番号が付与原則データのみ端末側の契約による
通信品質キャリアが提携する現地回線現地ユーザーと同水準現地回線(プロバイダー依存)ルーターの回線品質による
複数人利用1人1回線1人1回線1人1回線(テザリング可)1台で複数台接続可
端末条件契約端末であることSIMフリー端末eSIM対応SIMフリー端末なし(Wi-Fi接続できれば可)
帰国後の処理自動終了SIM廃棄・返却プロファイル削除のみ端末返却必須

旅行スタイル別の選び方

短期旅行(3日以内)・手間を省きたい場合

国際ローミングが最も手軽。渡航先でそのまま使えるプランを事前に確認しておくだけで準備が完了する。電話番号がそのまま使えるため、ビジネス渡航や緊急連絡が多い場合にも安心。

1人旅・eSIM対応端末を持っている場合

旅行eSIMが手軽さと料金のバランスが取れた選択肢。事前にオンラインで購入してQRコードを読み取るだけで設定が完了し、荷物も増えない。渡航先や期間に合ったプランをSimFinderで比較できる。

SimFinderで旅行eSIMを比較する →

複数人旅行(3人以上)・eSIM非対応端末が含まれる場合

ポケットWi-Fiが1台あれば全員で共有できる。特に子供の端末など、eSIM非対応のデバイスが含まれる場合に有効。

1週間以上の滞在・コストを抑えたい場合

渡航先での現地SIM購入か旅行eSIMが選択肢になる。現地SIMは購入の手間はあるが、長期滞在向けの大容量プランが豊富。旅行eSIMは事前購入できる点で利便性が高い。


eSIM対応端末かどうか確認する方法

旅行eSIMを使うには、端末がeSIMに対応していることが必要。

iPhone の場合、iPhone XR・iPhone XS(2018年発売)以降のモデルがeSIMに対応している。2018年より前のiPhoneはeSIM非対応。

Androidの場合は機種・メーカーによって対応状況が異なる。Google Pixel 3以降のモデルは基本的にeSIMに対応しているが、同じ機種でも販売地域やキャリアロックの有無によって対応状況が変わることがある。

端末の設定画面で「eSIMを追加」「モバイル通信プランを追加」などのメニューが表示されれば、eSIMに対応している。

また、端末がSIMロックされている場合は、eSIMを含む別キャリアのSIMが使えない場合がある。日本では2021年10月以降に発売された端末はSIMロックの初期設定が総務省のガイドラインに基づき原則禁止されているが、それ以前の端末は各キャリアの解除手続きが必要な場合がある。


現地SIMを購入するときに知っておくべきこと

購入場所と手続きの流れ

空港内のキャリアカウンターが最初の選択肢として最も確実。主要な観光地の国際空港では、到着ロビーに大手キャリアのカウンターが出店しており、国際旅行者への対応に慣れたスタッフが常駐していることが多い。英語が通じるケースが大半で、プランを指差して選ぶだけで購入・SIM挿入・動作確認まで対応してもらえる場所もある。

空港以外では、市内のキャリアショップ・大型電気店・コンビニでも購入できる国が多い。ただし郊外や小規模店舗では英語が通じない場合もある。

身分証明書の要否と国別の本人確認要件

SIM購入時に本人確認が必要かどうかは渡航先によって異なる。

  • パスポート提示のみ(多くの国): タイ・シンガポール・マレーシア・韓国など、観光客向けのSIM購入にパスポート提示のみを求める国が多い。カウンターでパスポートを渡せば、スタッフが手続きを進めてくれる
  • 生体認証が必要(タイ): タイでは2022年の規制変更以降、SIM購入時に顔認証などの生体情報登録が義務付けられている。空港のカウンターでは専用端末を使って手続きを行う
  • 厳格な本人確認が必要(ドイツ): ドイツではすべてのSIM購入に対して本人確認手続きが義務付けられており、VideoIdent・PostIdent・店舗内での本人確認書類照合のいずれかが必要になる。手続きに時間がかかるため、到着直後に購入する場合は余裕を見ておくことを推奨する

プリペイドSIMの有効期限と残高

多くの渡航先で販売されているプリペイドSIMには有効期限がある。旅行者向けプランは7日・14日・30日などの期間設定が一般的で、期限を過ぎると残余のデータ容量も失効する。短期旅行の場合は有効期限と日程が一致しているプランを選ぶこと。

長期滞在でデータ容量を使い切った場合は、同じSIMにトップアップ(チャージ)できる国が多い。現地キャリアのアプリまたはコンビニ等での購入が一般的。

端末条件の事前確認

現地SIMを挿入する前に以下を確認する。

  • 端末がSIMフリーであること(Androidは設定→SIM管理から確認、iPhoneは設定→一般→情報→キャリアロックで「SIMの制限なし」と表示されることを確認)
  • 渡航先のキャリアが使用する周波数帯(通信バンド)に端末が対応していること。最新のフラグシップモデルであれば大半の地域で問題ないが、古い端末や特定地域向けモデルは事前確認が必要

海外で日本の電話番号を維持する方法

海外旅行中も日本の電話番号で着信・SMS受信が必要なケースは多い。銀行やオンラインサービスの二要素認証(SMS認証コード)、緊急連絡、ビジネス用途での日本番号維持がその典型例。

デュアルSIM構成が最も確実

デュアルSIM対応端末であれば、日本のSIMと旅行eSIMを同時に有効化できる。データ通信は旅行eSIMを使い、日本のSIMは通話・SMS受信専用として動作させる構成が実現できる。

iPhone でのデュアルSIM構成

  • iPhone 13以降: 物理SIMスロットのあるモデルは「物理SIM+eSIM」または「eSIM+eSIM」のデュアル構成が可能。iPhone 13以降はeSIM2回線を同時有効化(デュアルeSIM)に対応している(Apple公式確認済み)
  • iPhone XS〜iPhone 12: 「物理SIM1枚+eSIM1枚」の組み合わせ。2つのeSIMの同時有効化は不可
  • 設定方法: 設定→モバイル通信で各回線の用途(データ通信回線・通話回線・SMS回線)を個別に割り当てられる。旅行eSIMをデータ通信専用に、日本SIMを通話・SMS専用に設定する

Android でのデュアルSIM構成

Google Pixel 7以降はeSIM2回線の同時有効化(デュアルeSIM)に対応している。それより前のPixelモデルは「物理SIM+eSIM」構成。Samsung Galaxy S20以降も基本的にデュアルSIM対応だが、機種・地域によって構成が異なる。

日本のSIMをeSIM化してから出発する

日本の物理SIMをeSIM化しておくと、物理SIMスロットを現地SIM用に空けられる。国内主要キャリアはいずれも物理SIM→eSIM変更手続きに対応している。

  • NTTドコモ: オンライン手続き(iPhoneの場合はeSIMクイック転送対応)
  • au: My auからオンライン申請。オンライン手続きは手数料無料
  • ソフトバンク: オンラインショップで手続き後、eSIMプロファイルをダウンロード
  • 楽天モバイル: my楽天モバイルで手続き可能。手数料無料

eSIM化後は物理SIMスロットが空き、旅行先で現地物理SIMを挿入しながら日本のeSIMも同時に使えるようになる。出発前に必ずeSIM化とデュアルSIM設定の動作確認を済ませること。

eSIM化せずに日本番号を維持する方法

eSIM対応端末を持っていない場合や、eSIM化の手続きが間に合わない場合の代替手段として、以下が考えられる。

  • 国際ローミングをデータOFF・SMS受信ONで使う: 日本のSIMでデータローミングをOFFにした状態でも、SMSの受信は可能なキャリアが多い。データ通信はポケットWi-Fiか別端末の旅行eSIMで行い、日本のSIMはSMS受信専用として使う方法
  • VoIPアプリへの切り替え: 完全に日本番号での着信が不要な場合は、WhatsApp・LINE・FaceTimeなどのVoIPアプリで連絡先に通知した上で、日本のSIMを一時停止する選択肢もある

よくある質問


まとめ

4つの通信手段にはそれぞれ特徴がある。

  • 国際ローミング: 手間が最小。料金はキャリア・プランに依存するため事前確認が必要
  • 現地SIM: 現地料金で使えるが購入の手間がある。長期滞在に向いている
  • 旅行eSIM: eSIM対応端末なら事前準備が最も少なく、料金も抑えやすい
  • ポケットWi-Fi: 複数人での共有・eSIM非対応端末に有効。返却が必要

eSIM・WiFiレンタル・ローミングの詳しい比較についてはeSIM vs WiFiレンタル vs ローミングをご覧ください。

どの手段を選ぶにせよ、出発前の準備が重要。ローミングはプランの確認、現地SIMはSIMフリー端末の確認、旅行eSIMは事前インストール、ポケットWi-Fiは事前予約を、それぞれ出発前に済ませておくことを推奨する。

旅行eSIMのプロバイダーと料金の比較は、SimFinderの旅行eSIM検索で行える。

SimFinderで旅行eSIMを比較する →


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