このチェックリストは、出発2週間前〜現地到着直後までに段階的に確認すべきスマホ準備項目を時系列で整理したものだ。「どの通信手段を選ぶか」の意思決定には海外でスマホを使う4つの方法、旅行eSIMのプロバイダー比較には旅行eSIMプロバイダー比較、インストールの手順には初めての旅行eSIM完全ガイドを先に読んでおくと本記事の活用度が上がる。
このページは「情報収集後に何を実行するか」の行動リストとして使うことを想定している。
出発2週間前 — 時間がかかる準備
余裕が必要な手続きを最初に済ませる。特にSIMロック解除・通信手段の確定・SMS認証の移行準備は時間的な制約があるため、遅くとも2週間前には着手する。
端末の対応状況を確認する
旅行で使う端末が以下の条件を満たしているかを確認する。
SIMロック解除状態の確認
日本では2021年10月1日以降に発売された端末は、原則としてSIMロックなしで販売されている。それ以前にキャリアで購入した端末や中古端末はロックがかかっている場合がある。
- iPhoneの場合: 「設定」→「一般」→「情報」→「キャリアロック」を確認。「SIMの制限なし」と表示されればSIMフリー
- Android(Google Pixel)の場合: 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」から確認。または各キャリアのオンラインページでIMEIを入力して確認する
SIMロックがかかっている場合は、旅行eSIM・現地SIMのいずれも使えない。解除手続きの詳細はSIMフリーとSIMロック — 確認方法と解除手順を参照。
eSIM対応有無の確認
旅行eSIMを選択する場合は、端末がeSIMに対応している必要がある。
- iPhoneの場合: iPhone XS・XR(2018年)以降のモデルがeSIMに対応している。「設定」→「モバイル通信」に「eSIMを追加」または「モバイル通信プランを追加」が表示されれば対応済み
- Android(Google Pixel)の場合: 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」→「SIMを追加」からeSIMセットアップ画面が表示されれば対応している。日本版は Pixel 4 以降から eSIM 対応(Pixel 3・3a シリーズの日本版は非対応、FeliCa 搭載モデルのため)
- Samsung Galaxyの場合: Galaxy S20(無印/+/Ultra)以降はeSIM対応(S20 FEは大半の地域で非対応)。「設定」→「接続」→「SIMカードマネージャー」で「SIMをダウンロード」が表示されれば対応している
eSIMの仕組みについてはeSIMとはを参照。
OSバージョンの確認
eSIMの設定・機能はOSバージョンに依存する部分がある。出発前にOSを最新バージョンへアップデートしておくことを推奨する(設定の場所はバージョンによって変わる場合がある)。
通信手段を確定する
端末の対応状況を確認したうえで、渡航先・旅行期間・同行者の構成に合わせた通信手段を選ぶ。
| 通信手段 | 向いているケース |
|---|---|
| 国際ローミング | 短期・手間を最小にしたい・日本番号が必須 |
| 旅行eSIM | eSIM対応端末あり・コストを抑えたい |
| 現地SIM | 長期滞在・現地料金で使いたい |
| ポケットWi-Fi | 複数人利用・eSIM非対応端末が含まれる |
各手段の詳しい比較は海外でスマホを使う4つの方法にまとめている。
旅行eSIMを選ぶ場合: プランを選定する
渡航先・旅行期間・用途に合ったプランを選ぶ。確認すべき5つのポイント(通信エリア・データ容量・有効期限・料金体系・設定方法)は旅行eSIMの選び方で詳しく解説している。
プランが決まったら購入まで済ませておく(インストールは出発1週間前〜前日に行う)。
プロバイダーの比較は旅行eSIMプロバイダー比較、またはSimFinderの旅行eSIM検索で渡航先・期間・容量を指定して比較できる。
SMS認証の移行準備
海外でSMS認証が受信できないと、銀行・各種サービスのログインが困難になる可能性がある。
影響を受けやすい代表的なサービス
- 日本の銀行・ネット証券(ほぼすべてがSMS認証に対応)
- 楽天市場・メルカリ・PayPay等の国内決済サービス
- Googleアカウントのセキュリティ確認
- Apple IDの二要素認証
対応の選択肢
- デュアルSIM構成で日本のSIMを維持する: デュアルSIM対応端末であれば、旅行eSIMをデータ回線として使いながら日本のSIMでSMS受信を維持できる。この場合、日本のSIMのデータローミングは必ずOFFに設定し、SMSのみ受信する設定にする
- 認証アプリへの移行: Google Authenticator・Authy・Microsoft Authenticatorなどの認証アプリへ移行すると、SMS受信なしで2FA認証が完結する。対応しているサービスでは出発前に移行しておくと安心
SMS認証のリスクとSIMスワップ詐欺との関係についてはSIMスワップ詐欺とは — 手口・兆候・防ぎ方で詳しく解説している。
その他の事前確認
- パスポートの有効期限確認: 渡航先によっては入国時に残存有効期間の要件がある(6ヶ月以上必要な国が多い)。出発前に確認する
- クレジットカードの海外利用設定: 海外でのカード利用を一時的に制限しているカードがある(JCB・VISA・Mastercardはカードブランド=決済ネットワークで、海外利用設定を管理するのは発行会社)。ご利用のカード発行会社(楽天カード・三井住友カード・イオンカード等)のアプリやWebサービスで設定を確認し、必要に応じて海外利用を有効にする。また、渡航先の緊急連絡先(カード会社の海外フリーダイヤル等)をメモしておく
- 海外旅行保険の加入確認: クレジットカード付帯の保険が有効かどうかを確認する。スマホ紛失・盗難への補償も確認しておく
出発1週間前 — 中期準備
端末の動作確認・オフライン環境の整備を行う。
旅行eSIMをインストールする
購入済みの旅行eSIMプロファイルを、自宅のWi-Fi環境でインストールする。現地到着後にネットワークがない状態でのインストールは手間がかかるため、必ず自宅のWi-Fi環境で行う。
- iPhoneの場合: 「設定」→「モバイル通信」→「eSIMを追加」からQRコードを読み取る。または購入プロバイダーのアプリ内でインストールできる場合もある
- Androidの場合: 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」→「SIMを追加」からQRコードを読み取る。Samsung Galaxyは「設定」→「接続」→「SIMカードマネージャー」→「SIMをダウンロード」から行う
インストール(プロファイルの保存)だけではデータは消費されない。アクティベーション(データ通信の開始)は現地到着後に行う。
詳細な手順は初めての旅行eSIM完全ガイドで解説している。
eSIMプロファイルのQRコードは1台の端末に1回のみ紐付けられる。 誤って削除すると再インストールにはプロバイダーからの新しいQRコードが必要になる。削除は帰国後まで行わないこと。
eSIMアクティベーションの事前テスト(任意)
インストール後、eSIMが端末の設定画面に回線として表示されているかを確認する。旅行先への出発前に問題を発見できれば、プロバイダーへの問い合わせや代替手段の確保が間に合う。
iPhoneは「設定」→「モバイル通信」で複数の回線が表示されていれば、インストールは成功している。
オフラインコンテンツのダウンロード
通信環境が不安定な場面や、データ節約のためにオフラインコンテンツを用意しておく。
- Google マップのオフライン地図: Google マップアプリで渡航先の地域を検索し、「オフラインマップをダウンロード」から保存する。空港・宿泊先・主要観光地を含むエリアを一括でダウンロードしておく
- Apple マップのオフライン地図(iOS 17以降): 「マップ」アプリ→自分のアイコン→「オフラインマップ」から保存できる
- 翻訳アプリの言語パック: Google翻訳アプリで渡航先の言語をダウンロードしておく。言語パックがあればネットワーク接続なしで翻訳できる
- 宿泊・交通の予約情報: 予約確認メール・バウチャーをスクリーンショットまたはPDF保存しておく。宿泊先のWi-Fiチェックイン時に予約番号が必要なケースが多い
アプリとOSの最新バージョンへのアップデート
出発前にOSとよく使うアプリを最新バージョンに更新しておく。現地の移動中にアップデートが始まると、データ消費と時間的なロスになる。
Wi-Fi接続時のみ自動更新する設定にしておくことで、旅行中の意図しないデータ消費を防げる。
- iPhoneの場合: 「設定」→「モバイル通信」→「Appのバックグラウンド更新」をオフ、または「Wi-Fiのみ」に設定する
- Androidの場合: Google Playストア→「設定」→「ネットワーク設定」→「アプリの自動更新」を「Wi-Fiのみ」に設定する
外務省「たびレジ」に登録する
「たびレジ」は外務省が提供する海外旅行登録サービスだ。登録すると渡航先の安全情報・スポット情報がメールで届き、緊急時には在外公館から安否確認の連絡を受けられる。
登録には氏名・メールアドレス・旅行先・旅行期間が必要。登録・利用は無料。登録後に届くメールアドレスは、現地でも受信できるアドレスを使用すること。
出発前日 — 直前確認
明日の出発に備えた最終確認を行う。
端末・モバイルバッテリーの満充電
- スマートフォンを満充電にする
- モバイルバッテリーを満充電にする。2026年4月24日以降、日本発着便全便で国土交通省の統一ルールが適用される: 機内持込可能なリチウムイオンバッテリーは160Wh以下のものを2個まで、機内での充電・給電は禁止。詳細は利用航空会社の案内および国土交通省の発表(報道発表資料)を確認すること
- 充電器・変換プラグを荷物に入れたか確認する(渡航先によってプラグ形状が異なる)
データプランの有効性確認
購入済みの旅行eSIMについて、以下を確認する。
- eSIMプロファイルが端末の設定画面に表示されているか
- プランの有効期限開始タイミング(インストール時か、現地ネットワーク接続時か)。初回接続時に開始するプランなら、翌日の到着から有効期限がカウントされる
- プロバイダーのカスタマーサポート連絡先(アプリ内チャットのURLやメールアドレス)
緊急連絡先の控え
現地でスマホが使えなくなった場合に備え、以下をメモまたは印刷しておく。
- 渡航先の日本大使館・総領事館の電話番号(外務省ウェブサイトで確認)
- 海外旅行保険の緊急連絡先・保険証番号
- クレジットカードの海外紛失・盗難時の連絡先(裏面または各カード会社のWebで確認)
- 宿泊施設の電話番号・住所
緊急連絡先はインターネットに依存せずアクセスできる形(メモ帳・印刷物)で持参する。
出発日朝・機内 — 当日の操作
機内モードへの切替
離陸前に機内モードをONにする。機内モード中はすべての無線通信が遮断されるため、意図しないローミング接続が発生しない。
機内モード設定後の注意点: デュアルSIM構成の場合、機内モードをONにすると両方の回線が遮断される。Wi-Fi通話やBluetooth接続が必要な場合は、機内モードON後にWi-FiまたはBluetoothのみ個別に再有効化できる。
日本SIMのデータローミング設定の見直し
デュアルSIM構成を使用する場合、機内モードを解除した後に日本のSIMのデータローミングが意図せず有効になっていると、日本キャリアのローミング料金が発生する可能性がある。
- iPhoneの場合: 「設定」→「モバイル通信」→日本のSIM回線を選択→「データローミング」がOFFであることを確認する。また「モバイルデータ通信の切り替えを許可」もOFFにしておくと、旅行eSIMのデータのみが消費される
- Androidの場合: 「設定」→「ネットワークとインターネット」→日本のSIMを選択→「ローミング」をOFFに設定する
事前インストール済みeSIMのAPN設定確認
到着直後に接続できるか不安な場合、機内でeSIMプロバイダーのAPNマニュアル設定情報を確認しておく(プロバイダーのヘルプページに記載されている)。自動設定で接続できる場合がほとんどだが、接続トラブル時の参考情報として把握しておくと役立つ。
到着直後 — 現地での最初の行動
eSIM有効化 / 現地SIMへの切替
旅行eSIMの場合: 入国後、機内モードをOFFにする。eSIM回線のデータローミングがONになっていることを確認し、端末がローカルネットワークを検出するのを待つ。30秒〜1分程度で自動接続されるケースが多い。
- iPhoneの場合: 「設定」→「モバイル通信」→旅行eSIMの回線→「データローミング」をONにする
- Androidの場合: 「設定」→「ネットワークとインターネット」→旅行eSIMのSIM→「ローミング」をONにする
現地SIMの場合: 空港内の通信会社カウンターでSIMを購入し、端末に挿入する。多くの国でパスポート提示が必要(タイでは生体認証登録が必要)。詳細は海外でスマホを使う4つの方法を参照。
空港を出る前の接続確認
空港ロビーでブラウザを開き、実際にインターネットに接続できることを確認する。接続できない場合は以下を順番に試す。
- 機内モードをON→OFFして再接続を促す
- 「設定」→(iPhoneは「通信事業者」 / Androidは「モバイルネットワーク」)→ネットワークを手動選択して現地ネットワークを指定する
- 端末を再起動する
- eSIMのデータローミング設定がONになっているか再確認する
- 以上で解決しない場合はプロバイダーのサポートに問い合わせる(空港のWi-Fiを利用)
認証アプリのアクセス確認
デュアルSIM構成でSMS認証を維持している場合、日本のSIMが圏外になっていないかを確認する。日本のSIMのデータローミングはOFFのまま、SMS受信のみ有効な状態であれば正常。
認証アプリを使用している場合は、アプリが正常に起動し、TOTPコードが生成されることを確認する。
チェックリスト全項目(印刷・スクショ用)
出発前の最終確認に使えるよう、全項目を一覧にまとめた。
出発2週間前
- SIMロック解除状態を確認した(iPhoneは「設定→一般→情報→キャリアロック」)
- eSIM対応有無を確認した(旅行eSIMを選択する場合)
- OSバージョンを確認した(最新バージョンへのアップデート検討)
- 通信手段(ローミング/旅行eSIM/現地SIM/ポケットWi-Fi)を確定した
- 旅行eSIMのプロバイダーとプランを選定・購入した
- デュアルSIM構成で日本番号を維持するか、認証アプリへ移行するか判断した
- 重要サービスのSMS認証の扱いを確認した(銀行・楽天・メルカリ等)
- パスポートの有効期限を確認した
- クレジットカードの海外利用設定を確認・有効化した
- 海外旅行保険の加入・補償内容を確認した
出発1週間前
- 旅行eSIMプロファイルを自宅Wi-Fiでインストールした
- 設定画面でeSIM回線が表示されていることを確認した
- Google マップ(またはApple マップ)のオフライン地図をダウンロードした
- 翻訳アプリの言語パックをダウンロードした
- OSと主要アプリを最新バージョンに更新した
- アプリの自動更新を「Wi-Fiのみ」に設定した
- 宿泊・交通の予約確認をスクリーンショットまたはPDF保存した
- 外務省「たびレジ」に登録した
出発前日
- スマートフォンを満充電にした
- モバイルバッテリーを満充電にした
- 旅行eSIMの有効期限開始タイミングを確認した
- 緊急連絡先(大使館・カード会社・保険会社)をメモまたは印刷した
- 充電器・変換プラグを荷物に入れた
出発日朝・機内
- 離陸前に機内モードをONにした
- 日本のSIMのデータローミングがOFFであることを確認した
到着直後
- 機内モードをOFFにし、eSIM回線のデータローミングをONにした
- ブラウザで実際の接続を確認した(空港を出る前に)
よくある質問
SimFinderで旅行eSIMプランを比較する
渡航先・旅行期間・必要なデータ容量を入力すると、複数プロバイダーのプランをまとめて比較できる。プロバイダーごとのカバレッジ・有効期限・価格帯の違いを一覧で確認できるため、チェックリストの「プラン選定」ステップで活用してほしい。